小説を書くのって難しい［２］

辛い過去 ページ8

では、主人公や登場人物にありがちな辛い過去について話したいと思います。

なぜ、辛い過去により傷を負うことは物語においてよくあるのか。それは、辛い過去が人を形成しているからではないでしょうか。

登場人物の行動原理がある過去の出来事からだったりしますよね。それを乗り越え、成長するキャラクターも数多くいるでしょう。深い傷であるほど、それを乗り越えるのは難しいです。

「その傷の甘さ苦さにかかわらず傷は人を形成するから」、というのは私の好きな言葉の一つですが、傷から伴う痛みは登場人物の一部です。

何気ない一言が、登場人物の傷口をえぐるようなものだとしたら？ 善意こそ傷口に塩を塗り込むものだとしたら？ 悪意そのもので傷をさらに深くするとしたら？

これに限りませんが、上手く活用できれば、話をそらしたり、キャラクターを深めたり成長させたり、共感してもらったり、キャラクターの魅力を増長させたり、とかなりの応用が効きます。

ただし、出すところを間違えてしまうと一気に興ざめしたり混乱を呼ぶだけです。一歩間違うと、不幸自慢にもなりかねませんから。占ツクでその手の作品は批判を集めやすいのを考えると、わかりやすいです。

不幸を慰めるだけではなく、鋭い批判をするキャラクターを入れるとなかなか話がこじれて個人的に好きです。

不幸なキャラクターを、悲劇のヒロインではなく今を生きるただの人間として扱うキャラとも言えるかもしれませんが。

扱いが難しいのでご注意ください。

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