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先日、客引きが配っていた甘味処の特別券。俺はあまり甘味に興味がないので(力うどんとかはあるだろうけど)持て余していたものだ。
『ご家族や友人と共にどうぞ！』と言われたが全員死んでるし友達はいないので反応に困った。最近はほぼ上司としか会話をしていない。
「俺は甘味処にさして興味がなく……二枚ありますので伊黒様と良ければ行って下さい」
もちろん推しシイピイのお膳立ては忘れない。尾行しよ。
「加賀見くんも一緒に来ればいいんじゃないかしら。しょっぱいものもあると思うけど」
「いえ、俺はほんっっっと微塵も甘味処に興味ないです。しょっぱいものも含めて」
「そう……？」
危ない危ない。蜜璃様はこのように優しいお方なのだ。まるで聖女かのごとく。戦う力と荒々しさも持ち合わせているので天使と言ってもいい。
「本当にいいの？」
「持て余してたので、持っていっていただけるとむしろ助かります」
「それなら、いただいていくわ。ありがとう！！」
喜色満面の蜜璃様。この世の笑顔というものの正解例かな？
蜜璃様が券をしまったのを確認し部屋干しがまだ微妙に終わっていなかったので、再開する。
「あら？ これ伊黒さんの羽織ね。伊黒さんの部屋に持っていった方がいいかしら」
「あぁ、はい。お願いしていいですか？」
「わかったわ！」
さすが伊黒様の(未来の)妻。伊黒様の部屋も把握しているし伊黒様の羽織を見つけて持っていくのも早い。俺の羽織と大きな違いがないから(俺のは線が細い)わからん人にはわからん。しかし蜜璃様にはわかる。これが示すことはただひとつ。
蜜璃様は、ちゃんと伊黒様のことを見てる。そういうところだぞ！ そういうところで俺に推されてるんだぞ蜜璃様！！(好き)
蜜璃様の背中を見守って洗濯物をパッと伸ばした俺は、この時着いていかなかったことを後悔するはめになる。
しばらくして帰ってきた蜜璃様の顔が真っ赤なのだ。
「！？？？！？ どうしました」
「なんでもないの！ ちょっとうっかり足を滑らせて伊黒さんに受け止めてもらっちゃっただけで」
まさか。まさか、ラッキースケベ……！？
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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！！あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります！ (2020年6月14日 19時) (
レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！続き読みたいです！ (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い！よもやよもや！ (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…！ (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉蓮 | 作成日時：2019年11月25日 11時
