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ぐだぐだ考えても仕方ないな、何とかしよう。できなければ死ぬ、それだけだ。


「ごちそうさまでした」
「……片付けるぞ」
「はい、伊黒様」





月明かりのせいか、いっそ昼よりも明るい。寒くて空気が澄んでいるから、星が綺麗。

だと言うのに。


「……加賀見」


はい。絶賛幻覚を見ております。どうしたものか、いや目の前にいる伊黒様擬きを切ることに躊躇いはないのだが──切ってそれで幻覚から抜け出せるのか。


「貴様がへまをしたせいで俺が死んだ。どうしてくれる」
「解釈違いだ、死ね!!」


さっきまでの思考ガン無視で伊黒様擬きに刀を振るう(過激)。伊黒様は!! 絶対に!! そんなこと言わない!! まだ死ぬわけにはいかないから生きているだけ、でもあるし。

切り裂くとあっさり伊黒様は消えた(弱すぎる、解釈違いです!!)(うるさい)。しかし“本当の”景色は現れない。

だって、いるはずがないのだ。死んだのだから。


「……××」


俺の名前を呼ぶ、父親なんて。名を捨てた、家を捨てた、……絵は捨てきれなかった俺の、父親。絵のために家を捨てた、そして俺を育てた、あの日鬼にされて死んだ父さん。


「何をしているんだ、お前は。絵も描かずこんなところで『かわいそうなもの』を殺して」
「……」
「父さんを死なせておきながら……父さんの悲願を達成させてくれないのか……? 『本物の画工になる』という夢を……」


父(偽)は苦痛で顔を歪める。俺は父さん、と優しく呼び掛け微笑み、そして──


「チッッ」
「……!?」


盛大に舌打ちをかました。面白いぐらいに焦りから顔を歪ませる父親(偽)。


「貴様俺の父親のことを何もわかってないな」
「な、何を言っているんだ××……!」
「もういい。しゃべるな、目の前から消えろ」


刀を構える。

鬼が追い詰められているのか、目の前の父親の幻覚が揺らぐ。代わりに醜い鬼を視界に捉えた。血鬼術はもう、おしまいだろう。


「蛇の呼吸壱ノ型、委蛇斬り!」
「ぐっ……あぁぁあぁああぁああ!!」


今度は手応えがあった。ただの幻覚では効果がないと思って分身の一つか何かを出していたのかもしれない。

〃→←一月某日



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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