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結局ごり押ししたら折れてくださった。伊黒様と実弥様は友人であらせられるので(たぶん、嫌いなものが同じ)普通に寄っただけなんだろう。もしくは長い冬を乗り越えるための話し合いをするか。

……対義勇様の会議もするかもしれない。あの方も本当に柱らしい立派な方なのだが、『言葉足りなくね?』と思うことが多い。言葉下手と表現下手と解釈下手(二つは兼ねてる)が集まって上手くいくわけがないのである。基本的に。

実弥様には俺の隣に座ってもらった。嫌がられたわけではないのだが、『それでいいのか』みたいな顔をされた。なんの気遣い?

襖が開けられる。伊黒様がお盆にぜんざいを乗せてきた。隠の方がおろおろしている。柱にやらせるなんて……! とでも思っているんだろうか。

俺普通にさせてたわ。……いや、役割分担の末だけれど。


「持ってきたぞ。……不死川?」
「……どうにかなんねェのかこいつのごり押し」
「加賀見は頑固だからな、お前が諦めろ。……悪いが器をもうひとつ持ってきてくれ、加賀見、後でいいな?」
「あ、はい。大丈夫です。連れてきたの俺ですから」
「待つ間に寝るなよ」
「寝ませんよ」


伊黒様は俺をなんだと思ってるんだ。





あ、ぜんざい美味しい。ちょっと塩入っているからか、飽きないし。伊黒様の気遣いなのか、それとも隠の方なのか……わからないが、感謝したい。

体の底から暖まってきて、ほうと息を吐く。眠くなってきた。運動のあと甘くて暖かいものを口にしたのだから当たり前だ。

そういえば、もうすぐクリスマス。誕生日でもなんでもない時に贈り物ができる素晴らしい行事。元は外つ国の行事で、明治辺りからあるとかなんとか……知らんけど。何を贈るか……考えなければ……なるまい。

飴細工……は……もう今年差し上げたし……できれ……ば避けたい……。


「加賀見くん? 眠たいの?」


蜜璃様が俺の顔を覗きこむ。睫毛が長くて……大きな瞳は愛らし……く、肌はキメ細やかで……。


「駄目だ、こいつ体が暖かくなってきてる。寝るぞこのまま」
「加賀見くんって眠くなったら暖かくなるの……?」
「餓鬼かよォ」


……意識が途切れた。

十二月末※本誌匂わせ→←〃



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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