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十月末 ページ28

「は? 継子じゃねえのかよ」
「違うぞ。するには実力も才能もない」
「本人の前ではっきりと言うな。おい加賀見、お前なんとも思わないのか?」
「…? いえ、別に」
「本当に地味なやつだな!」


宇髄様が伊黒様をお訪ねになられた。机を挟んで向かい合うお二人にお茶を差し上げる。部下であるのでお側に遣えていると(蜜璃様相手でもなかったし)宇髄様が俺を見て『相変わらず地味な継子だな』と言い、伊黒様が否定して冒頭に至る。

というか派手派手な色男である貴方に比べればそりゃあ地味だろう。……いや、比較対象に宇髄様を持ってこなくても俺は地味だが。


「そんな勘違いをするのは貴様くらいだ」
「あ、いえ、この間とある隊士にもされてました。無論否定しましたが」
「……なんだと?」


伊黒様が目を見開いて俺の方を振り返った。綺麗な眼だな〜。


「そこそこ一般的な勘違いの可能性があります」
「…………」


頭を抱える伊黒様。実に絵になる。宇髄様がそんな様子を見て首を傾げる。


「継子と勘違いされて何か問題があるのか? いちいち許可をするのが面倒とかそういう?」
「問題しかない。加賀見はましな方だがさほど強くもない。過度な期待は他の隊員の命取りになり、加賀見への負担も大きすぎる。ただでさえこいつは無茶を……いやそれは今関係ないが」


そういうところだが? 伊黒様の声音こそ怒りのようだが紡がれる言葉はすべて他人への気遣いである。ほんとそういうとこ〜! 好き。


「いいか加賀見、お前を継子だと思うやつがいたら念入りに否定しろ。いいな?」
「はい。……まあ伊黒様以外との任務は滅多にないので……」


伊黒様が危惧するようなことは滅多にないだろう。たぶん。知らんけど。


「才能がない、ね……」


宇髄様は何か言いたげだったが、結局何も言わなかった。





※本編には関係ないこそこそ話

加賀見は愈史郎と炭治郎の夢に入った青年を足して割ったような雰囲気らしいですよ。

十一月某日→←〃



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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