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九月某日 ページ21

九月▽日 天気 曇り

「加賀見くん! これから暇かしら?」
「……? はい」


ぱあっと顔を明るくさせる蜜璃様。もんげーかわいい。


「よかったら一緒に買い物に行かない?」
「物を選ぶ感性なら伊黒様の方が優れていますよ」
「確かに伊黒さんはセンスがいいけど、今回は伊黒さんに秘密で行きたいの!」
「……あっ、もしかして」
「そう、お誕生日に贈り物をしたいの!!」


これはもう確実に付き合っている。俺は破顔して、こくこくと頷いた。





「伊黒さんがくれた髪止め、すっごく使いやすくてね、私も何か伊黒さんが喜ぶものを送りたいなって。あ、もちろん加賀見くんがくれた蜂蜜も美味しかったわ! すぐ使いきっちゃった」
「色々調べた甲斐がありましたよ」
「ふふ、ありがとう」


歩く度に髪が揺れる。周囲の(特に男からの)視線がすごい痛い。気持ちはすごいわかる。超絶かわいくて派手な見た目の(しかも露出している)婦人が歩いているのだ。しかも横にいるのが地味な、普通に生きてたら蜜璃様と出会うことがないであろう俺である。伊黒様のように牽制ができないので視線は集まる一方。

普通に話してたら胸を露出した隊服を着ていることを少なくとも俺は忘れるのだが、……うん……機会をうかがっているやつもいるな。とか思ってたらさっそく遊び慣れていそうな男が蜜璃様の肩に手を──置く前に蜜璃様が男を吹っ飛ばした。

蹴るために上げかけた足を下ろす。


「きゃ、きゃー!! ごめんなさい、ひっそり近づかれたから反射的に……!! 大丈夫?」


蜜璃様は強者(戦士)なのだった。蜜璃様が尻餅をついた男を助け起こそうとする前に出て、俺が男を起こす。男は何が起こったのかわかっていないようだ。これは好都合だ。俺がしたことにしよう。


「次に触れようとしたら命がないものと思え。……走りますよ!!」
「えっ、え、うん!! 本当にごめんなさいね!! 待って加賀見くん!」


ぽかんとしたままの男を置いて走る。以前でかけた時もこういうことあったような。もう少し強面というか、威圧感がある振る舞いができるようになりたい。

〃→←八月末



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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