とある隊員の蛇柱(とおばみつ)観察日記

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そんなところも愛嬌があってかわいいと思うがそれはそれとして漠然に危機感を覚えている。一度してもらったあと、毎日欠かさないことにした。お陰で今はべったりと地面につく。実際、この柔軟さがなければギリギリのところで腰を折るなんてできないので結果的には大変役立っている。

レオタアドは全力で拒否った。土下座をした。土の味。土は美味しくなかった。

蜜璃様はお優しいので、俺が暇そうにしているとこうして柔軟をやらないかと誘ってくださった。今夜の準備がまだなのだが、もうしばらくのんびりしていても必ず間に合うだろう。

まあそれはともかく。


「蜜璃様、今日は指令が来ていますか？」
「いいえ。夏だからかしら、やっぱり鬼はあまり活動してないみたい」
「夜が短いですからね。では、今夜は空いていると？」
「そういうことになるわ。なになに、なにかやるの？」


こてん、と首をかしげる蜜璃様。かわいい。蜜璃様には天真爛漫という言葉が似合うと思う。


「今夜は七夕ですよ」
「七夕……。……！！ そういえば、そうね。すっかり忘れていたわ」
「これから菓子を買おうと思っているのですが……何かおすすめなどはありますか？」


たまには俺の分も買おうと思う。興味が薄いだけで嫌いなわけではないし。蜜璃様は真剣に考え込む。あれもいいけどこれもいい、どうしようかしら……という感じだ。


「そうだわ！」
「？」
「六月、加賀見くんお誕生日に贈り物くれたでしょう？ 実は伊黒さんからも受け取っててね」


待って聞いてない。伊黒様、何を送ってどんな反応をされたか教えてくれたらいいのに……！！ あとで聞こう。ちなみに俺は蜂蜜を送った。パンケエキとやらに使うらしい。


「お礼に、私がとっておきのお菓子を見繕ってくるわ」
「ありがとうございます。俺のは甘さ控えめにしてください」
「控えめね、わかった。それじゃあ行ってくるわ！」


目の前から蜜璃様が消えた──と思うほど早々にこの場から離れていた。さすが柱……。代金を渡す暇もなかった。お礼、ということはどちらにせよ受け取ってくださらなかっただろうが。

笹と短冊買ってこよ。

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