第四十一話 ページ42
眉を力なく下げる獅子王。うん、可愛い。
「自分は祟り神だから、殺す気もない人をもう殺したくない、会わない、って」
「あと、鶯丸にはあわないでくれ、って」
……ん? ちょっと引っ掛かる言い方だな。
「黒獅子がそう言うならしゃーないけど会ってみたかった……。どうにかなんないかね」
「え、何で僕を見るの主」
「役人さんからなんか聞いたりしてないかと」
「ごめんね、聞いてないよ」
「そっか」
布団に倒れ込み、伸びをする。ぐえー。
「じゃあ禁書庫行ってまた調べよ……さすがにもう疲れたので審神者部屋の風呂に入って寝ます……」
審神者部屋ってその気になれば一歩も出ずに過ごせるんだよな。食料あれば。なんでそんな仕様になってるのかは深入りしたくない。
一回入ったけど温泉に切り替えられるんだよね。よきよき。
「俺、もう少しこの本丸を散策してもいい?」
「それなら、僕はそれについていくね」
「おれもいく。じっさいにあるいてはあくしておかないと」
「おーけーおーけー。どうぞどうぞ」
獅子王、燭台切、鶴丸さんが順に言うのに返事をする。
まあ、刀剣男士には敵意向けなさそうだし。お守りは念のため持たせるとして、平気だろう。
「俺達も、失礼する」
「ちょっと待って長谷部と不動くんは手入れして」
薬研、失礼しないで。ストップストップ。
「いや、無理するな。さっき荒療治で回復させたばかりなんだ、また倒れられたら困る」
「ぐうの音も出ねえ……」
「だからぁ、また明日な。ひっく」
「明日も会ってくれるの?」
長谷部と不動が心配と約束してくれたーやったー。じゃねえよ。怪我は痛々しいままだよ。
それはともかく、
「体調気遣いありがとう」
「別に」
「なんだよ長谷部、そっけないな。あんなそわそわしてたくせに」
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作者名:紅葉蓮 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年11月28日 7時