第四十話 ページ41
「あ！ 待って……意識が消えたとこまでは記憶あるぞ」
そういえば倒れたんだったわ。
神力がよくわからなかったので説明をしてもらった。目が覚めたら化け物に的な展開もあり得たのか……。
というか、
「長谷部……お前ほんと優しいな……」
「……？ 別に優しくはないだろう。あっさり成功しすぎて覚悟したのが恥ずかしいくらいだ」
無自覚かよ。
「あぁまあ……『やどかり』の名にある意味ふさわしいと思うよ」
色んな殻に馴染むからね。自分に合う殻は探すんだろうけど。
「あの、審神者」
宗三さんが私に呼び掛けた。手を前で重ね合わせ、そっと頭を下げる。
「解放してくださり、ありがとうございました」
「頭上げて！？ 私ほとんどなんもしてないからね！？」
いやいやいや、と全員に否定された。
「ぶっ倒れた人間が何もしていないことないだろ、ひっく」
「そういうもんかね」
子供の姿なのに酔っぱらいみたいなのちょい違和感。神だから酒好きでもおかしくないし実年齢的に法律違反でもなんでもないだろうけど。
「あのですね、宗三さん。……本当に嫌なのは、怖いのは、自分のために誰かが犠牲になること……だと思うんだよね。みんな優しいから」
優しい人ばっかなんだろうね、ここ。
「二次元だとくっそたぎるけどそういう問題ではなくてだな。宗三さんは間違ってないよ。でもやめて」
「……何が言いたいんですか？」
「頼むからさ、」
少なくとも、私が生きてこの本丸にいるうちは。
「もっと自分本意になってよ」
これこそ勝手な言い分だけど。
勝手だ、とか言われたくないし宗三さん次第なので私は話題を変える。
「獅子王、鶴さん。黒獅子には会えた？」
「あぁ。きいてくれあるじ」
「本当は黒獅子を連れてこれればよかったんだけど……」
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉蓮 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月28日 7時
