第十八話 ページ19
三つ編みを頭の上で一周させ他の髪とまとめるようなオシャレな髪型の少年。一瞬美少女かと思った。
「おお！ 獅子王じゃないか！」
「鶴丸……なんでそんなに小さいんだ？ 俺みたいに『亜種』なのか？」
「さあ……しょうじき、よくわからん」
彼は獅子王というらしい。
「聞きたいんだけど、何代目の審神者のせいでここにいるの？」
「審神者のせい確定なのか？ あーっと……俺は二代目の審神者に顕現されて、そのあとすぐにここに来た。二代目ってのは膝丸から聞いた」
膝丸……誰だっけ。なんか源氏に関係があったような……。
「どうしてさにわがここにおいたのかわかるか？」
「お前は亜種で……貴重だから、他のものに奪われたり傷つけられるわけにはいかない……そう言って、」
獅子王は自分を抱き締めて、声は震えていて、見るからに怯えていた。彼の目にじわりと涙がにじみ、睫毛が震える。
「欲、の、はきだ、めにされた」
「「──！」」
察した。
「お前が……そんな見た目だからいけないんだ、って……逃げ出そうとしても、無理、だった」
もう一人の、と獅子王。
「俺のことを知らない、もう一人の俺を人質にされてたから」
＊
「そういえば、薬研くん。……どうして僕のと同じ眼帯をつけてるんだい？」
「……この眼帯は、昔この本丸にいた燭台切がくれたんだ」
薬研くんが右目の眼帯をゆっくりさする。
「いつの頃だかは忘れたが、俺は審神者の実験で……霊力をあえて送らないというのをされた。そして、」
、、、
ごろりと目が落ちた。そう語る薬研くんは淡々としているけれど、僕はそれをした審神者への怒りで思わず拳を強く握っていた。
主も、話を聞いたらきっと怒るんだろう。聞かなかったのは眼帯がデフォルトと思ったからだろうし。
「他にもそういう被害にあってるやつは何人もいる」
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作者名：紅葉蓮 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月28日 7時
