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第一話 ページ1

「……と、いうわけであなたには燭台切光忠の亜種を連れてブラック本丸に行ってもらいます」
「あの、その亜種ってどういう……?」
「……」
「……」
「……英語が話せます」
「なんだ今の間は!? です!」


とにかくブラック本丸に行くことになってしまった。どうも私は普通の女子中学生です。

いやね? 昨日まで本丸のことも歴史修正主義者のことも刀剣男士のことも知らなかった一般人なわけですよ。

政府がどうしてそのことを隠してたのかは、何となく察せられるけども。昨日まで普通の女子学生だった私にいきなりブラック本丸担当させるとかどういう神経しているんだ。

神経おかしくなるほど徹夜しているならとりあえず寝てください。クマやべぇよこの人。


「あ、狐面つけてもいいですか? さすがに見目麗しい神々が殺しにかかってくる中、素顔をさらしてついでに生き恥をさらす趣味はないです」
「なぜ狐面なんですか? 能面とかでいいじゃないですか」
「能面は普通に嫌です。狐面好きなんで」
「……中二病かよ」


あーあー聞こえない。ていうか死語じゃねえか。


「で、これがその燭台切光忠の本体です。本丸に入る直前くらいに顕現させてください」
「あ、はい」


渡される刀を若干腰が引けつつも受け取り、私は書類にサインして契約を終えた。





「うわっ豪邸じゃん怖っ」


狐面を装着し、燭台切光忠を抜く。なんか抜き身にして適当に声をかけてと言われたんだけど、雑じゃないそれ?

英語話せるって言ってたし。どうしよう、なんかしゃべった方がいいのか?


「えーと……ウェイクアッププリーズ」


ぶわっと大量の桜吹雪に思わず目をつむると、手の中から刀が消え、代わりに眼帯をした美青年が現れた。


「そこは、Wake up pleaseってかっこよく言ってほしいな」
「先生かよ。第一声それでいいんですか?」

第二話→


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作者名:紅葉蓮 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年11月28日 7時

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