探求心という暴力を所有した、最悪の学者の話【ヒロアカ】 (ページ4)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:8,739 hit

４ページ4

君子なんてほんの少ししかいないよ。個人的な価値観としては、君子はそもそも自分と違う思想というだけで一刀両断しない。とと、個性の話からどんどん離れてしまった。私の悪い癖だね。はぁ、早く直さないと。三つ子の魂百までだし、無理かもだけど。

(彼は薄く笑った)

例えば。例えばの話だが、絶対に騙されない個性と絶対に騙す個性が対決したらいったいどうなると思う？ただし、個性の強さは同程度とし、どちらが優位などはないものとする。……うん、正解。そんな鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔しないで？当たり前じゃないか。
、、、、、
予測不可能。個性同士が干渉しあい、結果としてどんな現象が起こるのか、到底計り知れない。厳密に言えば、予想はできても予測は困難を極めるといったところか。やってみなければわからない。実際に観測するまではっきりしないんだ。……あぁ、解析したい。

少しは個性という現象の研究価値がわかったかな？理解できないならそれはそれで構わない。君らが興味を持つか否かは私には無関係だ。興味が皆無でもやらねばならないことなどいくらでも例があるからね。世の中で好きなことだけできる人がいるのならばそれはきっと博愛主義者だろうね。いい心がけだろう。挫折も前向きに考えるだろうな。

私はね、長らく世間と隔てられていた。だから多種多様な思考や主義や個性や人々を理解できず、同時に強く惹かれたのはもはや理だと思わないかな？君らがどんな思考回路を持つのか、後でしっかりと確認させてもらいたいが……私の第一目的は君らの個性だからなぁ……。君らにも家はあるだろうし、心配する親もいるんだろうな。誰か他人を心配する思いやりに触れたことはないが、世間の常識くらいはわきまえているつもりだ。常識は、大学までに凝り固められた偏見の象徴的存在だが、ひとつ模範とされるものがあれば何を目指せばいいのか着想しやすいから便利で実にいい。

５→←３