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唐突だが、アルバート・アインシュタインという人物をご存じかな？ そうそう、かの『相対性理論』が有名な物理学者だ。物理学にあまりにも精通がない人なら、舌を出している人と認識していそうだ。まぁともあれ、彼は数多くの名言を残している。その中に、こんな言葉がある。
ってね。正直、疑問を何にも(そう、何にも)持てない(持たない、ではなく)世界で生きていたあの頃の私はそれが到底、理解できるものとは思えなかった。しかし、いざ外の世界に出てみると今まで自分がどんなに愚昧にも怠惰を貪っていたのかと思い知らされ、私は疑問を持てるようになり、少しは理解できるようになった。私の解釈だが疑問を持つことは大切だ。そしてそこから答えを想像し、知識をもってその疑問を解消すべき。それの快感といったら、形容が不得手な私の言葉ではおおよそ言い表しようがない。
(そこで彼は恍惚とした表情を浮かべて腕を抱き締め、身震いした)
ん？ あ、君らはまだその快感を知らないのか。残念だね、麻薬のごとく甘美なのに。ま、私は麻薬を吸ったことないから説得力には些か欠けているかな？ もちろん、麻薬なんか使っちゃダメだよ？ そこには破滅ばかりが君らを待望しているからね。望んで破滅に進むのならば止めないが……自己責任で頼むね。犯罪の片棒を担ぐのは御免だ。
すべてが自己責任ならばいいのに。そしたら不幸ぶる犯罪者は生まれない。話を戻すが、私は世間を怠慢だと思う。かつての私のように。
思考停止というのはそれだけで罪だ。それにより停滞が起こる──すなわち死ぬ。
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作者名：紅葉蓮 | 作成日時：2017年6月20日 7時
