2、お見舞いの品 ページ3
スタジアムまでの道を走りながら、Aは自分のことを嘆いた。
イナズマジャパンの選考会など、日本を揺るがすビッグイベントだ。Aも前日の夜は楽しみにしていた。
それ故、寝付くのも遅くなってしまった。
FFで優勝して、アレスが終わってからというものちょっと気が緩んでるのかも！
まだ私が選ばれるって決まったわけじゃない。
貴女「でも明日人たちとあんな話すれば、ワクワクもするって。」
数日前のこと。
Aは、野坂へのお見舞いの品を買いに明日人と灰崎と共にスーパーを歩いていた。
灰崎「それはダメだ」
明日人「なんで？お見舞いの品っていったらバナナだろ。」
貴女「うん、良いと思うけど」
灰崎「バーカ。あいつがバナナを食ってるとこ想像してみろ。」
相変わらず先輩への口調が悪いやつめ。
…でも、野坂くんがバナナを…。
明日人「…なんか違うような…」
貴女「…言われてみれば」
灰崎「だろ？あいつが食うのはせいぜいプリンだ。」
貴女「ああ。野坂くんスイーツ好きだし良いかも！じゃあ焼き芋とかどう？美味しいよ！」
灰崎「…何で今の話の流れからそうなるんだよ。却下だ。」
貴女「え、何で？」
灰崎「そもそも、焼き芋ってスイーツに入るのか⁉」
貴女「入らないの⁉」
灰崎「俺に聞くな！」
明日人「あはは！二人ともすっかり仲良くなったよな！」
口論し始めるAたちに明日人が嬉しそうに言った。
貴女「…え、そう見える？」
仲の良い人が増えるのは嬉しいことだ。Aが満更でもなさそうに聞くと
灰崎「んなわけねーだろ！」
思い切り否定されてしまった。
貴女「ちょっ…そんな嫌そうにしなくてもさー！」
また喧嘩を始めた二人。
だがAと灰崎も今では軽口を叩き合えるくらいには打ち解けることができたと言える。
そこへ明日人が誰かを見つけた。
明日人「あ！西蔭！」
貴女「え、西蔭くん？」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年5月27日 23時
