11、一星充 ページ12
バスから降りると、大きな合宿所が目の前にどんと建っていた。
その場で明日人たちと話していると、バスから見知らぬ人物が降りてきた。
明日人は真っ先にその人物に話しかけに行った。
明日人「君だろ?海外から参加した代表選手って。俺、稲森明日人!よろしく!」
一星「挨拶が遅れました。一星充です。ロシアのチームでプレーしてました。」
明日人と一星は握手を交わした。
貴女(ロシアか…)
氷浦「ロシアか。サッカーがかなり強い国だね。」
一星「ただ僕はまだまだ修行中の身ですが、海外経験を買われて選ばれたみたいですね。」
謙虚な人だなぁと思い見ていたAを一星がちらりと目を向けた。
貴女(おっといけない。じろじろ見過ぎちゃったかな…)
そう思ったAだが、一星は嫌な顔一つせずに優しい笑顔をAに向け、自分の元へ駆け寄ってきた。
一星「…西村Aさんですよね。」
貴女「え、あ…うん!よろしく一星くん。」
Aは自分の名前をすでに持ってくれていた一星に少し驚いた顔をしつつも、すぐに返事をした。
一星「女性ながらすごい選手だって聞いていたので、会えて光栄です!」
貴女「えっ。ほ…本当?」
万作「あんまり調子に乗るな」
嬉しさを隠せず頰を緩めるAに万作が優しくチョップを入れた。
貴女「別にいいじゃん。嬉しいんだから」
Aはそんな万作を軽く睨みつけた。
貴女「誰がそんなこと言ってくれたんだろ〜」
ニヤつきながら自分のことを褒めてくれた人を考える。
一星「スタジアムでもみんなそう言ってましたよ。「ジャパンの戦力になる女性選手が入ってくれたな」って!」
貴女「うわ〜照れるな〜!そんな褒められると…」
何だかんだ嬉しそうに頭に手を回すA。
灰崎「女性がする顔じゃないけどな。」
そんなAに灰崎のキツめの一撃。
貴女「何だって⁉」
万作「A。今の声も女性らしくないぞ。」
貴女「万作まで!」
一星の前でもいつものやりとりをするA達。
一星は始めの方こそその様子に戸惑っていたものの、騒がしくも楽しそうなA達を笑いながら見ていた。
ただ、Aにはどこか意味深な目を向けていた。
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年5月27日 23時