もみじが色づく日 (ページ7)

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- すばるside -

作業所にも駐車場はあるけど勝手に使うんはさすがに出来ひんから、

近くのモータープールに車を停めてそこから少し歩き。

角を曲がって見えてきたのはクリーム色の壁が優しい2階建ての大きな建物。

建て直してまだ日が浅いからめちゃくちゃ綺麗で、入り口のガラスドアにはたくさんの紅葉の絵。

「僕ここ来たことあるー！」

「そりゃそや。兄ちゃんと見学来たやろがー。」

新しい家から来たんは初めてやけど、もみじ自体は見学を含めてもう3回目。

「隆？明日からここ来るんやで？」

「分かったー。」

「ほんまに分かっとるか……？」

俺のことなんて頭に無く、ドアに張り付いて中を覗く隆。

絶対話聞いてへんしいかにも不審者って感じやし。

「ほなぼちぼち帰るで。」

「うんー。」

ここまで来たところですることは特に無いわけで。

隆の興味もあっけなく他に移って嫌がること無く車まで戻って来た。

結局そのまま家まで一直線。

寄り道しないって久々かもしれんわ。

昼前に帰ってきた俺らを待っとったのは大量の段ボールたち。

これも今日中になんとかせなあかんな。

「よし！隆片付けすんで！」

カッターでバーっと段ボールを開けながら隆を呼ぶ。

荷造り同様、それを出すのやって隆には大変な集中力がいる作業。

俺のは後回しにしてとりあえず隆のだけでもさっさと終わらせよう。

本人がなるべく動くように俺は直接は手を出さへん。

て決めとったんやけど家具も配置も前の家と同じやし、

元の場所に戻していくだけやから意外と簡単やったみたいで。

「隆すごいやん！あっという間やったやん！」

「えぇ？僕すごい？」

「すごいすごい！じゃあ兄ちゃんのも手伝ってー。」

「ええよ！」

ご満悦の隆と今度は俺の段ボールを開ける。

これはどこ入れる？って自分から聞いてくる隆に、今日は一味違うなって感じて嬉しなった。