もみじが色づく日 (ページ3)

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- すばるside -

荷物をまとめる間もずっと眠い眠い言うとった隆。

ふたつ並べて布団を敷くとすぐに飛び込んできて、あっという間に寝息を立て始めた。

昼間のテンションで疲れるのか夜はいつもスッと眠りに落ちんねん。

「おやすみ隆。」

俺はまだやることあるから電気を消してそっと扉を閉めた。

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目覚ましが鳴り響き、ついに当日の朝が来た。

ちゃちゃっと身支度を済ませるとタイミング良くインターホンが鳴った。

「おう来たで。」

「ヒナ今日はありがとな。頼むわ。」

「信ちゃん！よろしくお願いします！」

玄関を開けるとズカズカ入って来た俺の昔っからの友達、ヒナこと村上信五。

何度かうちにも遊びに来とるから隆もすっかり懐いとって、

今では信ちゃん信ちゃん言うて仲良うしとる。

「軽トラ下停めてきたけど。荷物どれ？俺も手伝うよ。」

「ほんま助かるわ。ほなこれ持ってー。」

引越しの金もバカにならんくて業者の世話にはなりたなかった俺。

考えた末、農家の息子で軽トラ持っとるヒナに頼んでみたら快く貸すでって言うてくれてん。

「隆ー、お手伝いー。」

手持ち無沙汰で暇そうな隆にも車に積み込むのを手伝ってもらう。

段ボールを抱えては階段を降りを何回か繰り返す。

ほとんどの荷物は先に送っておいたから3人でやれば一瞬や。

「バイバイ！」

玄関で空っぽになった部屋に手を振る隆。

どこか名残惜しそうな声やったもんやから罪悪感がちょっと湧き出る。

隆が一人暮らし出来たら俺だけの引越しでもええねんけど、あいにく無理がありそうやし。

……いちおう本人もすばるについて行くって言うてくれたし。

仕方ない……ことやんな。