この手に力を 1 (ページ2)

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『おい！！危ねえだろうが！！』

ふと周りを見ると、声を上げた男の前に刃物を持った男が。

呂律の回っていない口で何か言っているが聞き取れない。

するとその男は一瞬のうちに姿を消してしまった。

『き、消えた...』

注目していた周りの人も俺も見回していると、

M「うっっっ」

背中に鋭い衝撃が走った。

戸惑ったが何が起こったかすぐに理解した。

男は瞬間移動をして俺の背中を狙ったんだ。

周りの視線は俺と俺の背後に集まっていた。

「っっ！やめろ！！」

誰かが男を引き剥がしてくれたようだ。

俺は膝から崩れ落ちた。

「大丈夫か！？今抜くからな！」

俺の背中に刺さった刃物を抜いてくれるらしい。

「えっ、あ...」

ターゲットが俺でみんな命拾いしたな。

みるみるうちに塞がっていく傷口。

「な、治った...」

刃物も痛かったが、周りの視線も痛いくらいに俺に刺さる。

車に轢かれるわ刺されるわ、ツイてなさすぎないか俺。

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