胡散臭い依頼編12 ページ2
rbr「それにしても変な依頼人やったなぁ。名前も見た目も」
sha「ハニー・ポルポて……しかも二世……！一世おったんかって感じやったな！」
em「ジュニアなんかな？」
メンバーは依頼人の不思議な響きの名前について話していたが、すぐ飽きて冒険の話に移り変わった。
やっぱり男の人だし、目の前の冒険のロマンには勝てないのだろうか。
……あんまり変な名前って共感できないの、私だけ！？ダーウィンさんという前例がいるからかも。
「おい、嬢ちゃん」
あれこれ話す私たちに声をかけたダーウィンは、ぽつんと浮く私に苦虫を潰したような顔で言った。
「ちゃんと準備して行くんだぞ。くれぐれも気をつけろよ、街から離れりゃなにが起こってもおかしくねぇからな」
『大丈夫ですよダーウィンさん！』
買い物も終わったし、今日のみんなは前回とは違ってしっかりと準備ができている。
むしろなにを懸念しているのか分からないぐらい。
あっ……もしかしてだけど。
『……そんなに私たちって弱そうですか？』
「当然だ」
ばっさりだ。私はだいぶショックを受けて、『えっ』と口をぱかっと開けてしまう。
そんな私の顔を見てダーウィンは苦笑した。
「ま、そんなに冒険者稼業がやりたきゃ止めねぇけどよ」
自前の赤毛の髪をがしがし掻き、彼はぶっきらぼうだが優しい声色で言う。
「無理すんなってことだ。数週間のバイトとはいえ、お前らの手伝いにはだいぶ助けられたからな」
『ダーウィンさん……』
一ヶ月には満たない親交だけども、私もこの”黄金の羊亭”を第二の我が家のように思っている。
心配してくれてるんだな、と分かると胸があたたかくなった。
感謝の言葉を伝えようとした私の肩に、誰かの手が力強く乗る。コネシマだ。
kn「任しといてください！俺らにはなんせ、”勇者”がついてますから！」
胸を張って言うコネシマにダーウィンは「勇者？」とぽかんとした様子だ。
rbr「話終わった？パーティー編成すんだし、お前ら早めに出発する？」
zm「おお、せやせや。油売ってる場合やないでコネシマ」
kn「売っとらんわ！行くぞ、A」
『あ、はい！』
というわけで待機班とクエスト班に分かれ、私たちはストレンジャーヒルから離れた場所に向かうことになった。
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作者名：REO | 作成日時：2024年3月23日 11時
