【d!】トリップでファンタジーなRPG世界でぶらり旅part1 (ページ46)

今日:32 hit、昨日:29 hit、合計:13,148 hit

胡散臭い依頼編7 ページ46

tn「えーと、いったんみんなと相談で……」

kn「おいっ！高ないか初級魔法のくせに！？」

shp「それだけ魔法って重要なポジションなんじゃないですかね」

「呪文書は高い分、一度買えば一生使えるモンだよ。で？冷やかしはお断りだよ」

どうもコネシマの声がいつものごとく大きかったようだ。

トントンがこそっと小声で私たちにささやく。

tn「……みんないくら持っとる？」

shp「……俺の分、ツケでいい？」

とにもかくにも魔法使いたちに魔法を覚えさせないといけないため、私はうなずいた。

◇

試しに店で初級魔法ファイアーの呪文書(これがなんとも高かったので、全員でちょっとずつゴールドを出し合うことになった……)を買ってみたが。

ほいっと雑に巻物を渡されていざ開いてみると、長ったらしい詠唱呪文の言葉しか書かれていなかった。

tn「文字、やな……」

『文字、ですね……』

しかもご丁寧に日本語だ。

黄金の羊亭のメニューも日本語だったし、この世界に来た時点で自動的に翻訳されてるのかも。

とはいえ、たしかに呪文書に呪文以外の言葉が書かれてたらおかしいかもしれないけど……

え？ぱぱっと覚えられるものじゃないの？

しかも店主の説明によると、その呪文書は買ったら呪文書をくれるのではなく、呪文を知る権利を買えるというだけで、その場で呪文を書き写す必要があるのだという。

そういうわけでトントンさんに頼まれて、私がマップを書く紙に一字一句間違えないように書き写した。

書き写す私の後ろで、メンバーたちがコソコソと話し合う。

ci「詐欺かもしれんから通報したほうがよくない？」

tn「たしかに、明日になったらこの店もうなかったり……」

「聞こえてるよアンタら！ここは由緒ある冒険者の町の魔法店だよっ！」

小声だったはずなのにすごい剣幕で店主のお婆さんに怒られた。す、すごい地獄耳。

ci「じゃあここで呪文を唱えて、魔法が出なかったら通報でよくない？」

チーノがそう言うと、老婆は大げさにため息をついた。