【d!】トリップでファンタジーなRPG世界でぶらり旅part1 (ページ44)

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胡散臭い依頼編5 ページ44

各自の荷物を入れるリュックはもちろんのこと、「やっぱ武器があるんやから、防具を整えんとな」と革の手袋を買ったり(革製って高そう)、胸当て(これも高いのでは？)を買ったメンバーもいる。

主に前衛職の人たちとかね。

逆に買いたかったものがあるんだけど、次の冒険でお金が入ったら買う！……という堅実な人もいた。

shp「こっちの世界の服を冒険中なんかあった時のための着替え用に買ったけど、やっぱり俺らが普段着るような服とあんまり変わらん気がするよな」

アルバイト中、収入が入るなり私たちは着替えを買いに走った。

このままだとずっと服や下着を持たないまま生活しなければならないからだ。

そこで知ったのが、この世界の衣服は意外に現代的だったということ。

もちろんファスナーみたいな現代技術が入った服はなかったけれど、Tシャツやズボンなんかは良心的な値段で普通に売っている。

rbr「そうやなぁ。逆にファンタジーしてる甲冑とかがより目立つわ。買わんかったけど……」

ci「いつか前衛職は全身甲冑装備になるんやろな。いいなー……」

rbr「チーノは何買うたん？」

ci「いちおう、錬金術師って職なんで錬金術の本を……。あんま興味湧かへんけど」

sha「俺、革の胸当て買った。どや？かっこええやろ」

ci「悔しい！！！クソ前衛職がよぉ！」

きぃぃ！とチーノの声を聞きながら、鬱先生が私の手元に目をやった。

そこには控えめな大きさの紙袋がある。

ut「Aちゃんは何買ったの？」

『私はこれです！ズボン買いました！』

ガサガサと紙袋から取り出したのは、スカートに中に履くタイプの短い黒ズボンだ。

今後もロープとか使って高い場所を登り降りする必要が出てくるかもしれないからね。単純にパンチラ防止にもなるし。

まあそれなら、そもそもズボンを履けって話になっちゃうかもしれないけど……おしゃれはしたいから。

rbr「なんでズボン？」

ut「あー、戦ったら見えるかもしれへんもんな」

rbr「見えるってなにが？」

一部の心当たりがある人たちは黙っていた。

ありがとう。私も恥ずかしいからわざわざ言わない。