【d!】トリップでファンタジーなRPG世界でぶらり旅part1 (ページ37)

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初めてのクエスト編23 ページ37

zm「……で、なにから話せばええのか分からないんですけど……」

sya「まさか薬草ってさ、スライムから分泌されたものなんか？」

シャオロンがコソコソと私とエーミールに声をかける。

え、なにそれ怖っ。

「シモノモモタソウは洞窟のとある場所に生える薬草じゃ。なんかの拍子に服についたんじゃろ」

聞こえたらしいお爺さんがゴリゴリと薬草を道具で挽き潰しながら答えた。

二人のポケットに入っていたということは、スライムとすったもんだしていた時に潜り込んだとしか考えられない。

運がよかった……のだろうか？

zm「っていうかあの洞窟なんやけど、なんか敵っていうか、スライムいたんですけど！？」

kn「せや！大工でも行ける安全なダンジョンやなかったんか！？」

「あれはああ見えて無害なスライムじゃよ。薬草の生えるところによく見かけるわ」

em「え？でもあれはこの図鑑によると、スライム科・グリーンスライム属・黒斑点種の”ぶちぶちスライム”じゃ……」

「他のモンスターのことはわしゃ知らんが、あれは”ブチありグリーンスライム”。お前さんの言うモンスターとは違うやつじゃ」

sya「エ～～～ミ～～～ル～～～？」

em「はい……すみません……」

すべてを察したエーミールはしおらしかった。

まだ初陣だからしかたないけれど……味方を危険な目に遭わせちゃったし弁護できない。

『でも……それを火であぶってしまって、洞窟の中で増えちゃったんですけど』

「ま、なんとかなるじゃろ。数日経てばひとつに固まって小さくなる、そういう生態のスライムじゃ」

あれがなんとかなるんだ。というか、お爺さんはダンジョンの中のこと知ってたのね……

知っているなら事前に教えてほしかった。

お爺さんはおもむろに立ち上がり、戸棚の奥から取り出した袋からチャリチャリと硬貨を取り出した。

「ほれ、報酬の15ゴールド」

rbr「15か……」

受け取ったロボロが複雑そうにつぶやく。

私たちの借金は85ゴールドである。まさか食事代で借金を背負うことになるなんて……