【d!】トリップでファンタジーなRPG世界でぶらり旅part1 (ページ19)

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初めてのクエスト編5 ページ19

私たちは黄金の羊亭に戻り、もう一度集まった。

水だけ注文して席につく私たちを亭主がジロリと睨んだ気がして、「なるべく小声で話そうや」という鬱先生の意見もあり、みんなで縮こまってこそこそと顔を突き合わせる。

そこでの第一声がこれだった。

zm「非戦闘員をパーティーに加えるのはダメやろ」

ゾムは「お荷物」という言葉をなるべく言わないようにしてくれているらしい。

その気づかいに気づき、私は恐縮した体をさらに小さくしてしまった。

『でも私が入らないと、ダンジョンに入れませんし……』

ut「それにダンジョンに行かへんとお金も稼げんしな……」

rbr「冒険者やのうてアルバイトしたらええんちゃう？」

sha「この世界のアルバイトが冒険なんじゃないの？」

rbr「まあ世の中にはお使いクエストなんて言葉もありますけども、俺ら冒険者っていうくくりとはいえ人間なわけやろ？だったら普通に働けるやん」

正論だ。正論すぎる。

『た、確かに普通の職とかにも頑張れば就けそうですけども……』

zm「ロボロお前……ッ」

ダァン！とゾムは机を叩いた。

zm「冒険者は！冒険するものやろ！」

ut「そや！ゲーマーのロマンやぞ！あっ、すんません声でかかったです……」

亭主の視線を気にしてか、鬱先生はカウンターに向かって頭をぺこぺこ下げた。

黄金の羊亭の亭主はもうすでにこっちを見ていないし、酒場はにぎやかで他の席も盛り上がっているので、鬱先生の気にし過ぎな気がする。

鬱先生は亭主さんが怖いのかな？私もあの見た目はたしかに怖いけども……意外に優しそうだしなぁ。食事代ツケにしてくれたし。

私の思考が飛び飛びになっていると、「そんで……」とトントンが話しだした。