【d!】トリップでファンタジーなRPG世界でぶらり旅part1 (ページ16)

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初めてのクエスト編2 ページ16

私も気になって彼らの後を追い洞窟の前まで行ってみると、目の前にピコンッとウィンドウ画面が出てきた。

ストレンジャーヒルレベル1洞窟ダンジョン
パーティー編成上限5人
現在の編成なし

パーティー編成……とは？

ひょっとして、このメンバーでパーティーを作る必要があるってこと？？？

sya「パーティー上限5人って。あーなるほど、うちら10人おるから5人5人で分かれなアカンのか」

shp「まあ10人でワイワイ行くダンジョンって、どういうゲームなんやと思いましたけども……」

『やたら大所帯で攻略しに行く洞窟……場所が場所なら酸欠になりそうですね』

shp「そうでしょ」

洞窟といわれても規模が分からないし、この場にいる全員が入ったらそれだけで横幅みっちりになってしまう狭さだったらと思うと、色々な意味で危険だ。

ダンジョンというからにはモンスターもいるだろうし、そんな状況で戦えるのか？と。

ut「じゃあ居残り組と探索組で分かれたらええんやな？俺居残りで」

zm「前衛職で固めてったらモンスター出ても安心ちゃう？」

shp「斧持ってるけど大工って前衛？」

わいわい、がやがや。

(口を挟む暇もなく淡々と話が進んでいく……)

ひとり置いてけぼりで、私だけメンバーの会話からは蚊帳の外だった。

まぁ、しょうがないだろうとは思う。

(彼らにとっては私なんか視聴者のひとりで、赤の他人なわけだけど……)

うんうんとうなずく。納得はできる。

でも、ちょっとぐらい会話に参加させてもいいんじゃないかな、と少し寂しい。

まるで私がぼっちみたいじゃないか。

ut「で、Aちゃんは危ないから居残りで」

『え？』

ut「女の子やしモンスターがおっても戦えんやろ？こういうのは男の俺らに任せとき」

『……はい』

いちおうツタのモンスターを倒したのは私だし、戦えなくもないと思うのだけれど。

そこだけ納得がいかなくて、私は話がまとまるまでみんなの後ろのほうで待った。

……魔王を倒さなければ死ぬなんて、実況者本人じゃないとはいえ彼らに嘘をついてしまったので、なにかの役に立ちたいという気持ちも、ある。

(でも、この人たちが実況者が作りだしたキャラクターなんてうっかり言えば、じゃあ私は何者なんだってなって、謎のスキルによって死ぬっぽいし……)