【d!】トリップでファンタジーなRPG世界でぶらり旅part1 (ページ15)

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初めてのクエスト編1 ページ15

私たちはシモノモモタソウという薬草の見た目とどこに生えているものかを女の子に教えてもらい、洞窟まで行くことにした。

『シモノモモタソウって、腰痛に効く煎じ薬みたいですね』

女の子に言われたことを思い出しながら、私は隣を歩く鬱先生に話しかけた。

もとは腰痛で動けない彼女のお爺ちゃんの代わりに、あの子が依頼を出しに行ったそうだ。

爺孫の関係だと思うが、実に孝行娘である。

ut「近所行って草採ってくるだけで報酬5ゴールド。1ゴールドがどんくらいの価値かあんま知らんけど、うまい話ってあるもんやなぁ」

ci「とはいえ僕らが食べた食事代だけで報酬ぜんぶなくなるんですがね……」

はぁ、とどこからともなくため息が聞こえてくる。

しかしお腹は満たされているので、それほどみじめな気持ちにはならなかった。

欲求が満たされている時ほど楽観的になれる……というわけでもない状況だが、それでも今は希望が見えている。

zm「お？俺が悪かったっていうんか？」

ci「いえ！そんなことないです！」

shp「ま、なんとかなるやろ！俺らの旅はまだ始まったばかりやで」

ショッピが明るい声を出し、コネシマも「そうやな！」と同意する。

kn「出だしはまあこんなもんやろ！肝心なのはこれからや」

ci「底辺からの出発やなぁ」

チーノのぼやきは青い空へ消えた。

女の子の言ったとおりの森の中の街道を歩き、目印をもとにそこから外れた獣道を歩くと、木々がぽっかりと空いた空間にそびえる絶壁の石壁と、天然の洞窟を見つけた。

リアルで洞窟を見ると、うおぉ……という謎の感動が生まれる。なんかこう、現存してたんだっていう。

ファンタジーだからこそこういうものがぽんぽん町のそばにあるんだろうけど、現代日本ではそうそう見られない光景だ。

rbr「目的地はここやんな？」

kn「よっしゃ、こんなもんちゃちゃっと終わらせて借金返して、レベル1の状況から脱却するぞ」

一足先に進もうとしたコネシマは、「んっ？」と声を上げて洞窟の前で立ち止まった。なにか見つけたのだろうか。

kn「なんやこれ、急にウィンドウ画面が出てきたぞ？」

tn「え、ホンマ？」

その言葉に私を除くメンバーがぞろぞろと洞窟の前に集まる。