【d!】トリップでファンタジーなRPG世界でぶらり旅part1 (ページ1)

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プロローグ1 ページ1

おかしい、妙に目がチカチカする。

そう思ってぎゅっとまぶたに力を入れてみたら、閉じた覚えのない目はいつの間にか閉じられていた。

それなのにまぶたの裏が白黒に明滅している気がして、Aはしばらくそのままでいる。

『(なんでこんなに体がフワフワするの？)』

お酒で酔ったわけでもあるまいし、と思って今度はパチっと目を開けると、目の前には一面の青空が広がっていた。

雲ひとつないまぶしい晴天である。

今までまったくまぶたに光を感じなかったのに、と少し不思議に感じていると、視界に異変が起きる。

ブオン……と音を立てそうな勢いで目の前に浮かんだ、宙に浮かぶゲームのようなウィンドウが目に入ったのだ。

A…レベル1 職業：勇者

体力、知力、魔力、カルマ……うんぬん…

『(なに……この、ゲームみたいな……)』

ぼうっと意味が分からない文字を眺めていると、静けさを破る男の声が聞こえた。

？「なんやこれ～～～！！」

すぐそばで男の悲鳴が聞こえてきて、半分夢うつつだった頭がパッチリ覚めた。

それと同時にぷつんと目の前のウィンドウが消える。

『だ、誰！？』

ガバッと起き上がってキョロキョロと周囲を見回す。

頭上は空だが、辺りは鬱蒼とした茂みに囲まれていて、視界が遮られている。

『(ここはどこ？いや……それよりも……)』

？「誰か～～！助けて～～～！！」

必死に助けを呼ぶ声がする……なにか危険な目にあっているんだろうか？

Aはここがどこであるのか考えるのをやめ、急いで立ち上がった。

『今行きます！待っててください！！』

どこかで聞いたことのある声だなぁと思ったが、それどころではないと考えを振り払い、声のする方向へ茂みをかき分けていった。