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夕暮れ時。
お互い満腹感を感じてきたころ、ロボロの提案で二人は川沿いの公園までやって来てベンチに隣り合って座った。
rbr「どこから来たん？身なりからして旅行者やろ？」
『……β国。田舎のほうだけど……』
rbr「へえ、β国行ったことあるで！あそこもいい国よな〜我々国ほどじゃないけどって、なんてな！これ冗談やで？」
彼女は眉を下げてニコリとした。
少し暗くなってきた空の下、電灯がつく。
それに照らされた彼女はどこか憂いを帯びていて、その姿がなんだかロボロの心にドキリときた。
rbr「(ドキリってなんやねん！俺、そういう柄でもないのに……)」
その胸の高鳴りをごまかすように、ロボロは早口で彼女に言った。
rbr「あの……俺ロボロって言うんや。あんさんの名前聞いてもええか？」
『名前……』
彼女の顔に陰りが差す。
『聞いても、意味ないよ』
rbr「それは俺が決めることや！もしかして君、死に場所探してここに来たんやないやろな？」
『死に場所』
彼女が目をまたたかせて意外そうにするので、ロボロの考えは外れたようだ。
rbr「ああ、すまんすまん。辛気臭い顔しとるから……なんか、儚げやなって」
言葉選びを間違えたかもしれない。
もごもごと口の中で別の言葉を探していると、彼女はまたニコリと笑った。
『A』
rbr「え？」
『私の名前、A』
ロボロは喜びが湧き上がってくるのを感じて、「A」と繰り返した。
『うん、そう』
名前を呼ばれて照れたようにAはまなじりを赤く染めた。それに釣られたようにロボロの頬も朱をおびる。
rbr「え……ええ名前やなー！不思議な響きがする！なんか、神秘的で……この国ではあんまり聞かん感じ」
『よく言われる』
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作者名：REO | 作成日時：2022年7月31日 21時
