モミジが色付くその日まで。【赤/∞】 ＠Autumn前編

変態さん １１３ ＠渋谷side ページ23

＠渋谷side



眉間にシワ寄せて、


嘘だろオイって顔してる


まぁ、そりゃそうやんな


ネクタイは結んどらん、かけとるだけ


ボタンも第2ボタンまで外れとる


オマケにスーツのジャケットはその辺に投げてある


どっからどう見ても教師に見えへん



A「でも、入学式、、、

もしかして、音楽の渋谷先生？」



渋谷先生、


初めて誰かにそう呼ばれた


違和感だらけやな



すばる「何で知ってん」


A「校長先生が、今日は不在だけどって紹介してたんで、」



あー、俺入学式出なアカンのやった


ヒナが上手く言っといてくれたんかな



A「何で出なかったんですか？」


すばる「ダルかったから、」


A「全然先生っぽくないですね 笑」



俺の答えにクスクス笑う


その笑顔に少しだけ胸が鳴った


なんや、これ



A「モミジ、好きなんですか？」


すばる「は？好きちゃうけど、」


A「なんだ、これモミジの木だから好きなのかと思った」



げ、これモミジなん？


最悪やん、秋嫌いなんに


何て俺の思いとは逆に、


大きな瞳で木を見つめるA


そんな姿にも心が震えた



すばる「モミジ、好きなん？」



俺がそう聞くと、


うーんて考えたあとに



A「好き！」



いたずらっ子みたいな笑顔で


そう言った



△

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