？華麗なる一族？ (ページ25)

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２５話ページ25

side秀作

楠｢パンのおかわりいかがですか？｣

博｢あぁ俺はいい｣

知｢ひとつ頂戴｣

楠｢えっ？朝はおかわりなさらないって｣

知｢今日はお腹減ってんの。さっさと頂戴｣

楠｢かしこまりました｣

こう見えて家の姉は正義感の塊のような人だ。

父さんを助けたい気持ちより

汚い手を使って我が家を貶めようとする

相手の女を許せない気持ちの方が強い。

知｢島畑富士子つて人の裁判記録があるか確認してほしいんだけど…本当に？｣

曲がったことが何より嫌いで自分に嘘をつけない

敵に回すと厄介だが味方にすると

これ程心強い人もいない。

父さんの事を1番心配してるようで

実は自分の事しか考えていないのが家の兄

｢お前の噂を聞いたぞ｣

博｢どんな噂だ？｣

｢患者よりもマスコミを大事にするってな｣

博｢お前も噂されてるぞ、患者よりも院長を大事にしてるとな｣

｢せいぜい家の足を引っ張るなよ｣

博｢こっちのセリフだ｣

華麗なる一族と呼ばれる事に満足し

病院内では白いきょとうの真っ最中

自分の事をこれほど愛している人を他に知らない

僕が警視庁を志したのも

兄と姉によるところが大きい

秀｢ただいま｣

博｢おぉー秀作お前就職はどうするつもりだ？｣

秀｢まだ特に決めてないけど｣

博｢あぁそうかじゃあ俺が決めてやるよ。警察官だ。
｣

秀｢いやいやいや、絶対無理でしょ｣

博｢兄弟が東大卒。兄が天才外科医で、姉が敏腕弁護士。それで弟がエリート警察官だったらパーフェクトだ。｣

秀｢パーフェクトの意味が全然わかんないんですけど。｣

博｢主夫が大好きなテレビドラマの職業を考えてみろ。医者、弁護士、警察不動の三本柱だ。｣

知｢私も、お兄ちゃんに賛成。秀作はもうちょっと厳しい環境に身を置いた方がいいと思う。｣

秀｢充分厳しい環境でやってきたと思うんだけど。｣

博｢いいや、お前はまだまだ甘すぎる｣

知｢ねえ、Aとお父さんはどう思うの？｣

『私は秀兄が好きな職に付けばいいと思うけど』

泰｢知晶が良いって言うならそれでいいんじゃないか？｣

秀｢えっ？｣

知｢だってよ。｣

僕の人生を選択してきたのは家族だ

東大に入ることも家族として当然のように

義務付けられていた

正直あの人たちに抵抗しても無駄だという

諦めの気持ちが半分ある。

でも残りの半分は、家族に対する信頼

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