神は我が力なり【d!】 (ページ5)

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焔の剣、或いは神の炎ページ5

天使というと、皆が人を護り優しく導く様な慈悲深い存在ととられる事が多いが、実際はそうでもない。現に、

「どうかお許しくださいウリエル様！！彼は知らなかったのです！！」

「あ？なんやお前も口答えするんけ。」

「そ、その様なつもりは……」

金髪碧眼の見目麗しい男と、その手に握られた轟々と燃え盛る剣。
辺り一面が白、白、白の世界でそれだけが異様に目を引いていた。

「お前なぁ、知らんかった言うけど無知は罪やで。」

「ぅ、」

嘗ては美しい白い両翼が授けられていたであろうそこには、思わず目を背けたくなる様な傷跡。この哀れな天使はウリエル…又の名をコネシマにより翼をもがれていた。

「おいそこのお前。」

「はっ、はい！」

先程必死にコネシマを止めていたこの男は、翼をもがれた天使の同僚であった。

「こいつ、下界に捨てとけ。」

「…へ…？」

「こいつは神に逆らって堕天した。ええな。」

だがコネシマにとってこの男達の関係性がどうであれ全く関係無い。呆然と座り込む天使を尻目に、じゃあ後はよろしく、と言わんばかりスタスタと踵を返して去っていった。

人間の物差しで図るならば、悪魔の方が余程優しいのかもしれない。
さて場所は変わり、何やら教会のような部屋。そこに居たのは2人の美しい天使達。

「な？言うたやろやっぱこうなるって。」

「仕方ないでしょ、あのこだけ特別扱いする訳にもいかないじゃん。」

俺の立場的にさ、と肩を竦める夜空のような黒髪と目を持つラグエル、又の名をひとらんらん。

「ふぅん、内務監査は大変やな。」

そして彼にじとり、とした目を向けるエメラルドの瞳を持ったレミエル、又の名をゾム。
彼らも2人とも大天使であり、その名に恥じない美しく立派な翼をもっていた。

「そんな怒んないでよ、俺だって＿＿＿＿
あ、コネちゃん。」