神は我が力なり【d!】 (ページ2)

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煩わしい鳥ページ2

いつもの様に、城を抜け出して森をふらついていた時の事。
相変わらず煩いハルピュイアを尻目に、宛もなく時間を潰していた。

「なーんかおもろいことないかな〜…」

来る日も来る日も同じことの繰り返し。頭がおかしくなりそうで、いっその事ハデスの嫁でも攫ってきてやろうなんて考えていたその時だった。
ぐすんぐすんと啜り泣く声が聴こえたのは。

「お、誰かおるやん。」

地面に蹲って咽び泣いてるのは、多分女の子。
俺らには性別っていう概念があんまり無いけど、色々と都合が良いから所謂人間の雄の姿を採ることが多い。
普段ジュデッカに籠ってると他の奴らと関わる機会がないから、つい興奮して話しかけると大きな瞳からぽろぽろ大粒の涙を零しながら俯いてしまった。

『ごめんなさい、貴方のせいじゃないんです。帰り方が分からなくて＿＿＿＿』

女の扱いなんて慣れてなくて、どうすれば良いのかも分からなくて声を掛けたのを正直後悔し始めた時。
ここらでは聞き慣れない言語が鼓膜を震わせた。

「ん？もしかして…あー……」

『これで伝わるかな』

華奢な肩をぴくりと跳ねさせる。
初めて、彼女と目が合った。