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「＿＿＿＿貴方の良き相棒となるでしょう。」
何て無責任な先生の言葉を聞き流しながら、手元の魔法石を見つめる。無機質な、何の変哲もない只の石に見えるがこれが自分の生涯のパートナーとなるなんて驚きだ。
ちらりと横目で片割れ、ウツを見てみれば魔法石に魔力を込めている最中だった。
＿＿あぁ、これでお役御免かなんて何処か他人事な感想が頭を過ぎる。これから彼の隣に立つのはわたしじゃなくて降魔で、寂しがりな彼を支えるのも泣き虫な彼の涙を拭うのもきっと彼の降魔なんだろう。
降魔には自分の魔力、性格などが大きな影響を与えると聞く。ウツにとっての最良のパートナーが生まれるのは必然なのに。
あんなに真剣なウツの顔みたことない、12年も一緒に居たのに自分には引き出せない彼の顔を出せるなら、わたしはもう用無しなんだろう。もやもやする、どんどん思考がマイナスに引っ張られていく。今から片割れを、半身を見捨てるのは自分も同じだと言うのに。
ゴツゴツとしたお世辞にも触り心地が良いとは言えない石を握り締め、どろどろとした感情を封じ込めるように魔力を注ぐ。瞬間眩い光に包まれ、一瞬の静寂の後誰かに手を取られた。
「どーも、イロニー・ショッピっす。」「ガオナァ・チーノで〜す。」
気だるげな声と、間延びした声に目を向ければ紫と橙の4つの光が此方を見つめていた。降魔がふたり？
鳩が豆鉄砲喰らったかのようにぱちくりと間抜けな顔で周囲を見渡せば、珍しくはあるが稀に見る光景のようで教師陣は深く頷きながら拍手をしていた。
「ふぅん、アンタが俺の主人ですか。可愛ええなァ、小っこくて細くて……一口で喰えそうっすわ。」
「Aさん、A…ふふ、最後まで見捨てんとってくださいね、俺の、俺の唯一のご主人様やねんから。」
ペロリと舌なめずりをして捕食者の顔付きでギラギラと此方を見つめる双眸にたらりと冷や汗が垂れる。うつ、片割れはどうなったんだろう。こんな意地悪な降魔じゃないといいな、彼は繊細な子だから…。
後ろを振り向くと、ぺたんと字面に坐りこむウツとそれを見下ろす降魔の姿。
「ウツ？！」
愛おしい半身、何があったの。貴方が居ないと私は＿＿。
「気に入らんなァ……なぁ？ショッピ？」
「邪魔やなぁ……そうやろ？チーノ？」
『俺らのご主人なのになァ…』
自分の降魔が、忌々しい瞳でその端正な顔を歪めてまるで虫けらを見るような顔で片割れを、ウツを睨んでいるなんてまるで気が付かなかった。
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まる(プロフ) - 設定の段階で細かく分かりやすく纏められた壮大な世界観から、夢主たちの不安などが丁寧に描写されていて、早く次のお話が読みたいです…! 更新、楽しみに待っています。 (10月6日 7時) (
レス) @page7 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
ロア……のスマホ版のようだ - これは期待大！これからの最新が楽しみです。頑張ってください！ (10月3日 22時) (レス) @page4 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とて。 | 作成日時：2023年10月3日 11時
