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「降魔とは、この魔法石を媒体に各々の魔力を具現化する物です。今後貴方達の武器となり、良き相棒となるでしょう＿＿＿＿。」
古めかしい外装とは異なり、古城の中は年季こそ感じられど随分豪華絢爛だった。先ずは降魔の儀から行うらしく、ホールの様な場所へ通され、一人一人無骨な石のような物を渡される。
「今後貴方達の学校生活、ひいては日常をも共に過ごすパートナーです。心して取り組みなさい。」
この石、魔法石に自分の魔力を注入し其れが形になる…これが降魔の儀らしい。降魔は通常何らかの動物を形取るらしいが、人型にもなるらしい。今後24時間、ほとんど一緒に過ごす新しい自分の半身であり、片割れ。A以外にそれが務まる訳無いのに。
ちらりとAを見遣るも、ずっと黙ったまま魔法石を見つめている。……あれが新しいAの半身？僕は12年もAと生きてきたのにあんな無機質な石が、あんな物がAの半身になれるわけが無い、あんな物にAは救えない＿＿＿考え出したら止まらなくて、石如きに嫉妬している自分が惨めになった。
深呼吸して脳内をリセットする、Aと離れたくないなら自分がここで一番になればええ、皆に恐れられて、誰も逆らえんような………あの人みたいな魔法使いになればええんや。誰にも自分とAを邪魔させへん。
自分の中のありったけの魔力を込めた瞬間、眩い光に包まれ思わず目を閉じる。刺すような光で目が痛い。
「おいおい、こんなクソ餓鬼が俺の相棒なん？」
勘弁してくれよ、と何とも不遜な態度で空中から話しかける黄櫨染のボブの…男？
「俺はトイフェル・シャオロン、」
シャオロン様って呼べよ、と胡座をかきながら下卑た笑みを浮かべながら指差す男にはっとして、急いでAを見遣る。
「どーも、イロニー・ショッピっす。」「ガオナァ・チーノで〜す。」
紫と橙、二体の降魔に左右の手を握られ、困った顔でそいつ等を見つめるA。やめろ、その顔は僕だけのもんやん、我儘言って困らせて、それでもしょうがないなあって笑ってくれる時の、僕のすべてを受け入れてくれるときの。
おい無視すんなよ、なんてシャオロンの声が遠のいてガラガラと足元が崩れていく。Aの隣はずっと俺のもんやって、約束したやんか。
片手だけじゃない、両手も奪われた。ぽっと出の訳の分からん奴らに。
お願いやから、僕を一人にせんとって。僕以外を受け入れないで。
僕とお揃いの二つの蒼に、他の色を混ぜないで。
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まる(プロフ) - 設定の段階で細かく分かりやすく纏められた壮大な世界観から、夢主たちの不安などが丁寧に描写されていて、早く次のお話が読みたいです…! 更新、楽しみに待っています。 (10月6日 7時) (
レス) @page7 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
ロア……のスマホ版のようだ - これは期待大！これからの最新が楽しみです。頑張ってください！ (10月3日 22時) (レス) @page4 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とて。 | 作成日時：2023年10月3日 11時
