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you side
図書室にはエーミールさん、ただ一人だけだった。
ここは思いきって声をかけよう...なんて事はせず、私は本を選んで適当な席に座った。
本の匂いが鼻の奥を擽る
校内に漂う香水等の匂いは一切なく、居心地と言えば満点だ。
本を読みながらチラリと視線を左にずらせば、此方を見ていた彼と目があった
彼の瞳は透き通っていてとても美しく、それだけで心をがズキンと痛む
しかし私は彼に少し頭を下げ、再び視線を本へと移した
それが最善だと分かっているから
em「あの...」
突然彼から話かけられて、心臓と肩がビクリと跳ねる
勢いで椅子から転げ落ちそうだったわ。
あぶないなぁ
それでも私は平然を装い彼の呼び掛けに答える。
『はい...?』
em「も、もっと、あの...絡んだり、して来ないんですか?」
と。彼の予想外の問い掛けに目を見開く
まさか、そんな事を聞かれるなんて思ってもいなかった
『...されたいんですか?』
なので少し、からかう様に問い返す。
...自然と口角が上がっているのに私は気づかない
em「!、いえ、あの...不思議だなぁ、と、思いまして...」
そう答える彼の顔が心なしか赤く染まった様に見えた。
が、しかし、直ぐに自惚れるなとそれを否定する。
ありえへんわぁ、自惚れんな。って
『私は、___...私は、貴方達に興味はないから...話しかけなかっただけ。それだけです...』
それだけ言うと、私は本を戻して図書室を出た。
『私、用事を思い出したので。また今度』
・
『思っても無い事いってしまった...』
敢えて『また今度』と言った事に、彼は気づいているだろうか
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木材(もくざい)(プロフ) - あんぱんさん» あ、あっありがとうございます!!不定期な更新で申し訳ないです...(受験シーズンの為時間が...!) (2019年12月22日 21時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - こういうのホント好きです。。更新がんばってください!! (2019年12月22日 0時) (レス) id: cd5b3b3e38 (このIDを非表示/違反報告)
木材(もくざい)(プロフ) - 悠亜さん» わざわざコメントまで!!!本当にありがとうございます! (2019年12月7日 20時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
悠亜(プロフ) - ご紹介ありがとうございます! (2019年12月7日 20時) (レス) id: eb2dbc11ad (このIDを非表示/違反報告)
ユラ - 更新頑張ってください! (2019年11月4日 17時) (レス) id: 079e7f03da (このIDを非表示/違反報告)
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