＝しずく・１３＝ ページ13
「遅れてすみません。」
中島が真顔でそう言いながら
おれの方を見て・・
「何、すればいいですか？」
って言ったの。
すごくよそよそしくて・・
「あ、ぅ、うん。
じゃあ、１年生の子手伝ってあげて・・・。」
「はい＿＿＿。」
＿＿＿はい。＿＿＿＿
か・・。すっごく他人行儀。
いつもは、何も言わずに
おれの所に来てくれて・・
いつもおれの・・となりで作業してる・・のに。
くるしいな。悲しいの。
のどの奥が、ぎゅーっとニガイ。
泣いたら・・だめ。
泣かない・・の。
俯きながら一人、図書室のはじっこで
本の片付けした＿＿＿＿＿。
窓の外から・・雨の音。
しとしと。ざぁざぁ。しとしと。
ざぁざぁ・・
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
遠くから１年生の声がして
「せんせ〜い。」
ハッとして腕時計を見た。
「あ、っと。もうこんな時間に。
ごめんね〜。５時だから終わっていいよ。」
おれはカウンターにみんなを集めて
「遅くまでごめんね。
みなさん、お疲れさま。」
「は――い。」と、
みんなが帰り支度を始めて
１年生の山田くんが、
おれをまじまじと見て
ニマニマしながら
「先生さ、今日なんかオシャレだねっ。
もしかしてデート？！」
「ぇえっ。ちっちがうよっ。
ほら、暗くなると困るから、解散っ。」
ふぅ。・・なんとかごまかせた？かな。
もぅ。恥ずかしいよ・・。
ホントは中島のための・・おしゃれだなんて。
１年生２人、２年生２人、３年生１人・・が
図書室からゾロゾロと出て
口々に「さよなら〜」と言って帰って行った。
中島が・・カウンターで
図書カードをゆっくりとペラペラと
いじっている。
おれは少し窓の方に行ってから
「えっと・・な、中島も・・
今日は残らなくて・・いいよ？」
って伏し目がちに中島に言った。
中島が図書カードをテーブルに
乱暴に置いて、低い声で
「なんでっ＿＿＿＿。」って言った。
その動作に言葉に、またビクッと肩を震わせて
おれは顔を上げて
「な・・かじま・・・？」
中島と少し距離を取っていたはずなのに
あっという間に近付かれて
窓の横の壁に追いやられ
中島が、片手を壁について
おれを強い視線で見据えた＿＿＿＿。
おれは震えた声で
「な・に・・なかじ・ま・・？」
「伊野尾ちゃんさ＿＿＿＿＿＿＿＿＿。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あひる☆(プロフ) - にのんさん» きゃぁ〜〜ん！！にのんちゃま！！来てくれてありがとぅ(●´ω｀●)うっれしぃ〜♪ごちそうさまありがとうございますぅ〜〜♪♪ (2017年5月15日 10時) (
レス) id: 706e89320c (このIDを非表示/違反報告)
にのん(プロフ) - 来ましたよーん♪生徒のゆーてぃーが可愛すぎてですね…。ごちそうさまでございますぅーー！！ (2017年5月14日 17時) (レス) id: ee932bb254 (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - キャティアさん» すご〜〜〜〜〜いっっ！！あひるまでテンションあっぷるになった！！すごいなぁ〜〜。本屋行かなくっちゃ！！うふふ。読んでくれてアリガトゥ♪ (2017年5月6日 14時) (レス) id: 3eb751290e (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - JUMP♪大好き！さん» なんと！！お話し書かれてるんですねぇ。はい！！読ませて頂きますねぃ（*^_^*） (2017年5月6日 14時) (レス) id: 3eb751290e (このIDを非表示/違反報告)
キャティア(プロフ) - やっほ〜！！読んだよ！続きが気になって仕方ない！！いきなりなんだけど自慢していい？(笑)私が送ったイラストが、今月の『POTATO』に載ってたんだけど！！(涙)ヤバいよ！どうしよう！！テンション上がりっぱなしなんだけど！！ (2017年5月6日 0時) (レス) id: 3b338422a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あひる☆
| 作成日時：2017年5月5日 16時
