俺らまだ原石 amethyst 【2】

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Side Jesse


家に帰ってたくさん調べた。



「聴覚障害」

「補聴器」

「手話」

「全聾」

「聴覚障害 会話」





ただ日本語が苦手な俺はどの言葉も難しく見えて、
頭が混乱した。




どうしたらいいんだろう。

そう悩んでいるとスマホに通知が来た。





保健室に行った時、
高地先生に連絡先を渡されたんだった。


高地ジェシーくん、こんばんは。高地です。 明日また、保健室に来てもらってもいいですか?



ジェシー分かりました。僕も聞きたいことがあります。



今日は、松村くんがいたからあまり詳しく聞けなかったけど、高地先生から色々話を聞いてみたいと思った。



もっと松村くんのことを知りたい、と。



・





「北斗と仲良くしてやって欲しい。」


高地先生からはっきり、そう言われた。


「俺も、松村くんと話したいというか、コミュニケーションとりたいとは思ってるんですけど、どうしたらいいかわからなくて…」



昨日たくさん調べたことを話した。


ただ難しいことばかりで、松村くんに負担をかけず、嫌な思いををさせず、コミュニケーションを取るにはどうしたらいいのかわからないことを聞く。



「北斗昼休みとか、帰りの時間はここにいるから。明日の昼とか来れる？俺、ちょっと用事あるし。」
「そんな難しく考えなくて大丈夫。筆談だと、書くのに時間かかるから、スマホに打ち込んでなら会話できると思う。」


「わかりました。頑張ってみます。」


彼と話せる。
その事だけで明日が楽しみになった。



・



『ジェシーって言います。』

『それくらい分かる。』


高地先生の言う通り、スマホのメモに打ち込みながら会話をすることにした。


お昼に保健室に行って、すぐに携帯の画面を見せた。



高地先生から聞いてたのか、特に驚きもせず、松村くんもスマホに打ち込んで、俺に見せてくる。



「Haha…知ってんのか…」



彼が聴こえてないのも
気にせず俺は大笑いしてしまう。


笑っているのを見て
松村くんがスマホをまた見せてくる。



『本当に幸せそうに笑うね。何がそんなに面白かったの。あと俺、少しくらいなら読唇できるから、早口じゃなかったら喋ってもらっても。』




読唇…？


一昨日の俺ならそう思っていたが、昨日調べたなかにあった。口の動きを読み取るものだ。



『わかった。でもスマホの方が楽でしょ。松村くん好きなことは？』

『急だね。』

『いいじゃん、早く答えてよ。』

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