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Side Jesse
保健室の前に着いて、
ノックをしようとしたけど、やめた。
だって、中の様子が見えたから。
小さな隙間にはうちのクラスの松村くんらしき人と、保健室の先生である高地先生が無音で手を動かしていた。
…あれって、手話じゃない?
中学生の時、総合の時間に
聴覚障害を持つ人の話を聞いたことがある。
そこで学んだ。
手話で会話をする人もいる、ということ。
なんだか入りづらくて、どうしようかと思っていると、中から声をかけられた。
「あ、誰かいる?入ってきていいよー?」
「あ!えっと失礼しまーす…」
そこで驚く。
ドアの隙間からであったから松村くんの顔がしっかり見えてなかったけど、いつも無表情な顔であるが、
なんだかとても不機嫌そうだった。
「転んだ?これは派手に転んだねぇ。」
「とりあえず水で傷口洗って砂落として。」
「あ、はい。」
俺に話しかけた後、高地先生は松村くんに向かって手を動かしていた。
俺はその意味をわからないけどやっぱり手話なんだと思う。
「ジェシーくんだよね?北斗と同じクラスの。北斗に許可取ったから話すけど…」
そう言って高地先生が話し始めた。
「北斗ね、耳が聴こえないの。」
やっぱり、そうだったんだ。
「あの、俺あまり詳しくないんすけど。補聴器とかは付けないんですか?」
「北斗の場合はね、補聴器をつけてもほぼ聞こえないの。教室だと色々な音があってそれだと逆に音で混乱しちゃうらしくてね。」
色々な話を聞いた。
行き帰りは危ないから、
高地先生が送っているということ。
高地先生とは施設で知り合ったらしい。
なんで高地先生が施設にいたかはわからないけど、松村くんがそこに住んでいることは理解できた。
一通り話が終わって、それを松村くんが感じ取ったのか、高地先生に向かって手を動かしていた。
俺には意味がわからないけれど、手話で会話をしているんだろう。
「北斗が、他のクラスの人には言わないで欲しいって。」
「え?なんで…」
「どうせ話せないからって。」
俺はそれを聞いて、なにも言えなかった。
ただ友達ができない。と悩んでいるなら
俺にだって何かできるかもしれないけど。
松村くんのこと、なにも分からないのに、無理にみんなに話そう、とは言えなかった。
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Moku(プロフ) - さかたさん» DMの方は、Mokuの設定のせいでした。すみません!設定変えたので、おそらく送れると思います。もしまた何かありましたらDMの方でぜひ送ってください!お手数かけました。 (2020年8月2日 9時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
Moku(プロフ) - さかたさん» リクエストありがとうございます!とても嬉しいです。時間がかかると思いますが、気長に待ってくださると有り難いです。これからもよろしくお願いします! (2020年8月2日 9時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
さかた(プロフ) - すみません!Twitterの方dm?が上手くいかなくてリクエストが出来ずこちらでよろしいでしょうか?HEROの続きが見たいです。きょもと樹の医者と患者のシーンも見たいです。Mokuさんの書く物語が大好きで毎回楽しみにしています。自分のペースで頑張って下さい! (2020年8月2日 0時) (レス) id: 091f447974 (このIDを非表示/違反報告)
Moku(プロフ) - ゆなさん» こんばんわ!わざわざコメントありがとうございます!Twitterの方、先ほど承認させていただきました。こちらこそよろしくお願いします。 (2020年7月8日 0時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませて頂きました。どれも好きです。先ほど、フォローの申請させて頂きました。よろしくお願いします。 (2020年7月7日 22時) (レス) id: 1e3e43fc2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Moku | 作成日時:2020年6月19日 17時