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Side Taiga
昔の記憶はある方だ。
たしかに大きな病院で1度、
たくさんの検査を受けたことがあった。
「あなたはその病気じゃなかったの。でも、っ北斗はお父さんと同じ病気だった。遺伝することがある病気でね。あの事故の時、お父さんね…」
そこで母さんの言葉がとまる。
父さんは交通事故で亡くなった。
もしかして、それもその目の病気が関係しているの？
それを聞くのが怖くて声が出ない。
涙声になりながらも母さんが話す。
「…目の異常がではじめたのは中学入ってすぐの時で。」
「なんで言ってくれなかったんだよ！」
父さんのことも、北斗のことも。
怒りがふつふつとあがってくる。
「北斗が、大我には言わないで欲しいって。」
その一言で昔のことを思い出した。
小学生の頃までは「大我！」と呼ばれて、
いつも一緒にいた。何をするにも一緒で。
でもある時を境に北斗から話しかけてくることは少なくなって、いつからか2人の間には見えない壁ができて。
ちょうど北斗が中学生のときだった。
「階段から落ちたのは、多分見えてなかったからだと思う。」
「…完全に見えなくなる前にね、大我の歌う姿がもう一回見たかったんだって。」
「え？」
「東京行って、家に帰ってこないから、大我の歌全然聴けてなかったでしょ？」
「んまぁ、そうだけど…」
でも、俺が家にいるときだって、別に俺の歌なんて聴いてなかったじゃん。
「あなたの部屋から漏れてる声を必死に聴いてたみたいだよ？知らなかっただろうけど。」
母さんがふふっ、と笑いながらそして少し涙を浮かべながら話す。
「…どういうことだよ。」
「一回だけ、母さんがね、ノックしないで部屋に入ったら、壁に耳つけてるから何してるのかと思ってね。」
それは知らない。初耳すぎる。
そんなに俺の歌好きだったっけ？北斗。
「どんなに治療してもね、進行は止められない。」
母さんから放たれた言葉は、
想像以上に重いことだった。
「だからお願い。あの子の前で歌ってあげて。北斗、恥ずかしがり屋だから、自分から言えないの。」
そんなのお願いされなくたって。
何回だって、何百回だって、何万回だって、歌うのに。
今すぐにでも歌える。
歌えるけど、涙が止まらなかった。
・
「松村さん、検査終わりましたよ。」
看護師さんに声をかけられて、北斗の病室へ向かう。
幸い、足の骨を骨折したのと、腕を打ってしまっただけで、重傷には至らなかったみたいだ。
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Moku(プロフ) - さかたさん» DMの方は、Mokuの設定のせいでした。すみません！設定変えたので、おそらく送れると思います。もしまた何かありましたらDMの方でぜひ送ってください！お手数かけました。 (2020年8月2日 9時) (
レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
Moku(プロフ) - さかたさん» リクエストありがとうございます！とても嬉しいです。時間がかかると思いますが、気長に待ってくださると有り難いです。これからもよろしくお願いします！ (2020年8月2日 9時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
さかた(プロフ) - すみません！Twitterの方dm?が上手くいかなくてリクエストが出来ずこちらでよろしいでしょうか？HEROの続きが見たいです。きょもと樹の医者と患者のシーンも見たいです。Mokuさんの書く物語が大好きで毎回楽しみにしています。自分のペースで頑張って下さい！ (2020年8月2日 0時) (レス) id: 091f447974 (このIDを非表示/違反報告)
Moku(プロフ) - ゆなさん» こんばんわ！わざわざコメントありがとうございます！Twitterの方、先ほど承認させていただきました。こちらこそよろしくお願いします。 (2020年7月8日 0時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませて頂きました。どれも好きです。先ほど、フォローの申請させて頂きました。よろしくお願いします。 (2020年7月7日 22時) (レス) id: 1e3e43fc2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Moku | 作成日時：2020年6月19日 17時
