俺らまだ原石 garnet 【1】 (ページ6)

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Side Hokuto

2週間後。ついにその日がやってきた。
「放課後時間ある？」
そんな言葉、はじめて使った気がする。

どこがいいだろう。

悩みに悩んで決めたのは、公園だった。家だと母親がいるし、高校の近くの飲食店で何か食べるとかだと、誰かに聞かれるかもしれないから。

「ジェシーにさ、話したいことがある。
公園がいいんだ。」

そう伝えると、ジェシーは俺に言った。

「俺も北斗に話したいことがある。」

何だろうか。

でも、その時は、
自分のことしか考えていなかったから、
あまり気にならなかった。

今思えば、ほんとうに自分のことで
精一杯だったなと思うけど。

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公園では、小さな子が遊んでいる。

あの時に、もっと自分をオープンにできてれば、
中学校時代の生活、何か変わっていただろうか。

胸の音がうるさい。
これまでの記憶が蘇る。

自分がこの病気だからこそ、
樹と話すきっかけが生まれたこと。

毎時間の体育の授業で、誰にもバレないように必死に着替えをしていたこと。

なんで人並み以上に急いで早く着替えていたかを
クラスメイトの誰にもいえなかったこと。

修学旅行で隠れて
ポンプの交換をしたこと。

低血糖かも、と思っても残り授業が10分だと思って、特有の浮遊感に耐えたこと。

全て全て、頭の中を駆け巡る。
涙が出てきそうになり、
目を閉じて、深呼吸した。

「ジェシー、俺さ…」