俺らまだ原石 garnet 【1】 (ページ2)

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Side Hokuto

「樹、ごめん。待った？」

「いや、今来たよ。何食べよっか？」

久しぶりに、彼と遊ぶ…
いや、学校外で会った気がする。

中学3年生は、受験の年であり、樹は2年の終わり頃から塾で忙しくしていた。だから外で会うのは、おそらく1年ぶりくらいだろう。

「高校からの課題終わった？」

「いや、俺のとこ量やばいんだよ。」

小学生の頃から親友の彼とは、高校は、別々の場所に行くところになった。
俺は正直、知り合いのいない高校生活を想像できないが、俺も俺で、樹も樹で、やりたいことがあるからしょうがない。

彼も俺も、とてもインドアだからか、
会う時は必ずファミレスや、イートインコーナーがあるコンビニだ。

そこで2人で話したり、勉強したり、
たまに2人並んでYouTubeを見たり…
迷惑にならない程度でね。

まぁ、これをクラスのやつに言うと、「え？」と驚かれるが、これが俺らの普通であるから気にならない。

でも、こうして2人でいると、

「なんで俺ら仲良くなったんだっけ？」

と、いつも思う。

「えー？忘れた。」

彼にはそう返されるけど。

確か、小学4年生の時だったはず。
樹とは、小1から6年間同じクラスだったが、小4の頃まではほとんど喋ったことがなかった。

でも、ある時、2人になる時があって、
人見知りなくせに、
沈黙が苦手な俺は話しかけたんだ。

「樹くんってさ、ｰｰ病院通ってる？」

その時、樹は体育を見学していた。

俺は保健室を毎日のように使用していて、保健室の先生に「樹くんも同じ病院だよ？」って言われたことを思い出したのだ。

俺が話しかけると、話は盛り上がり、
自分の病気を互いに打ち明けた。

同じ病気ではないにしろ、どこか似ている。
幼いながらにそう感じたのかもしれない。

あの時話してから、だんだんと2人でいることが増えて、俺と樹は友達、そして親友になった。

病気だから、仲良くなったというより、
どこかさっぱりしているけど、熱くなるところがある。互いにそんなところが似ていたからか、気が合った。

病気がきっかけにはなったけれど。

中学校も同じではあったが、1度も同じクラスになれず、何回、先生を恨んだかわからない。

だけど、それでも俺ら2人の仲は
変わらず、こうして今でも遊んでいる。

病気のことも理解してくれているし、
ほんとうに良い親友を持ったと思う。

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気になっている人がいるだろうか。
俺がなんの病気か。