俺らまだ原石 garnet 【1】 (ページ27)

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Side Juri

あれから3日。

昨日はジェシーが病室に来て、

「今日はどうする？」

と、俺に選択肢を与えてくれた。

ただ、まだ気持ちが落ち着かない俺は、
昨日もリハビリには行かず、病室で同じように、過ごしていた。

今日もまた、ジェシーに同じように聞かれる。

「今日はどうしよっか？」

俺はまた、「行かない。」そう答えようとすると、

食い気味に言われる。

「じゃあ、外行こう。ほら、あそこ。樹くんも、知ってるでしょ？」

そうして、病室の外を指される。
いや、俺寝てるから見えないよ。

こころのなかで呟いたつもりが、
思わず言葉に出ていて、それを聞いたジェシーは、

「Ahaha、そっか。やっちゃった！」

なんて指を指される。

なんだかその行動がよくわかんなくて、
ジェシーの笑い声にも釣られて

「なんだよそれ笑」

意識もせず俺も笑う。

「やっと笑った。よし、行こっか。」

あー、たしかに俺、事故から目覚めてから、
笑っていなかったかもしれない。

・

・

ジェシーに車椅子の操作は任せていた。
だからか、俺はリハビリの場所に来ていることがわからなかった。

「…いや、俺やらな「しっ！」」

ジェシーに言おうとすると、静かに、と合図される。

「ほら、見て。」

広いリハビリステーションで、ジェシーと同じ服を着た人が1人、そしてこの前俺に説教をしてきた彼。ジェシーが言っていた、北斗がいる。

「うん、北斗いい感じだよ。」

「はあっはあっ…」

「痛いの？だめ、無理したら。」

「まだ、っ大丈夫。」

「ダメだって、休憩しよう。」

荒い息遣いが、響いていた。

彼は何度も止められてるいるというのに続けようとしていた。

あぁ、俺と同い年ぐらいの彼があんなに必死に頑張っているのに、俺は何をしているんだろうか。

「よし、北斗に怒られちゃうから。早く下行こっか。」

ジェシーの言葉は耳に入らず、
ただ自分が惨めになって、下を向いた。