42 . side M ページ2
あれから俺が落ち着くまでリーダーは側にいてくれた。
店を閉めて、二階で温かいココアをいれてくれて。
長い時間ソファに腰掛けて背中をさすってもらっていたと思う。
頭がぼーっとしてあまり覚えていない。
「 何があったか聞いてもいい？」
少し落ち着いたところで躊躇いがちにリーダーが聞いてくる。
すべて話した。
きっと、うまく話せていないだろうけど、それでもリーダーは優しく頷いて聞いてくれた。
「 俺、わかってるんだ。早く病院へ行って検査結果聞いて今できる治療を受けさせなきゃいけないこと。
でも、入院したら母さん、今みたいに笑えないと思う。治らないかもしれない。
受ける治療が意味のないものになったらどうしよう、とかいろいろ考えると無理なんだ。
足が動かなくなる。弱いよね、俺。」
「 松潤はさ、強いよ。弱くなんかない。
ちょっと強面だけど本当は優しくて、強くて、あったかい人ってこと、ちゃんとわかってる。
今だってお母さんのことを一番に考えて、踏ん張ろうとしてるじゃない。
もっと自分を褒めてあげてもいいと思う。
もっと自分に優しくしてもいいと思う。
誰かに頼ることは悪いことじゃないんだよ？
１人じゃないよ。」
いつだって話聞くし。と微笑みながら言ってくれた。
” 甘えてもいい ”
” １人じゃない。”
俺は、そんな言葉を誰かにかけてもらいたかったのかもしれない。
せっかく収まった涙がまた出てきた。
「 本当に松潤は泣き虫だな〜。」
声はからかいまじりだけれどリーダーの表情は穏やかで、優しくて。
「 ありがとう。リーダー。」
あと、少し。
少しだけ甘えさせてね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 359人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美唯 - 続き読みたいです。今さらだけど更新してください (2017年5月17日 16時) (
レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
もく(プロフ) - サンリオさん» サンリオ様、はじめまして。コメントありがとうございます。これからもゆっくりですが頑張って更新していきますのでどうぞよろしくお願い致します。もく (2017年3月1日 1時) (レス) id: 56b640f67e (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ - もっと続きがみたいです。これからも頑張ってください！ (2017年2月27日 14時) (レス) id: ab973c591a (このIDを非表示/違反報告)
もく(プロフ) - はるさん» はじめまして、はる様。コメントありがとうございます。とても嬉しいです。拙い文章で読みにくいところも多いと思いますがこれからも頑張りますのでぜひ続きも読んでいただけたらなと思います。素敵なコメント、本当にありがとうございました！もく (2016年12月10日 11時) (レス) id: 646bfe1cfb (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初めまして。こんなに優しくて情景が思い浮かぶ作品に出会えて本当に嬉しいです。登場人物すべてが魅力的です。大野くんが抱える闇が何なのか凄く気になって続きが楽しみで仕方ありません。ずっと応援してます。 (2016年12月8日 23時) (レス) id: 8c1ca74d4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もく | 作成日時：2016年10月23日 19時
