無色のストライカーは女の子【イナズマイレブン】 (ページ8)

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7｢昔はね…｣ページ8

｢どこのポジションなんだ？｣

FW、うん。
FWだったな。

…昔は

『…一応FWだったよ』

｢あなた達、グズグズしている暇はないわ。
キャラバンに乗って。出発するわよ｣

あの人が瞳子監督か

＿＿＿＿

キャラバン内

ブルル、というエンジン音を響かせて
私達は奈良に向かっているらしい。

｢…｣

『…』

何故か私の隣にいるのは豪炎寺修也
さっきから無言が続いてる。居づらい…

心の声が洩れたのか、ゆっくり口を開く豪炎寺

｢なあ雫目…いや、A
お前はサッカーが好きか？｣

なんで急にそんなこと聞くんだろう

『…

豪炎寺くんは？』

何食わぬ顔ではぐらかしてやった。
今はまだ分からないから。

｢…
俺は、大好きだ｣

それだけ言って窓の方に顔を向ける豪炎寺くん。
しかし窓に映る彼の目は、どこかをしっかり見据えていた。

｢みんな、奈良についたわ。
降りる準備をしなさい。｣
＿＿＿＿

目的地に着き、
雷門のみんなは早速宇宙人散策に出掛けた。

｢お前は行かないのか？｣

『あ、豪炎寺くん』

行く宛もなくキャラバンの前に立っていたら、豪炎寺くんが気を遣って来てくれた。

さっきはぐらかした質問に答える。

『…僕さ
正直サッカー好きか分からない。』

｢え？｣

『好きだった、のは間違いないんだけどね。

でも、
この旅で証明したい』

自分の本音を。

｢…？

そうか。｣

もちろん私の真意なんて分からない豪炎寺くんは、一応納得してみんなの所に戻った。

｢雫目さん…私はいつか
あなたの本音がわかる日まで…

待つつもりよ｣

ポツリ、と瞳子監督が口にした言葉は
誰の耳にも届かなかった。