骨喰君を看病したい 1 ページ5
「……ふぅ。
とりあえず安静にしておけば問題ないぜ。安心しな、大将」
「よ、良かったよ……」
そう言われた私はホッと脱力し、その場に座り込んだ。
あれから薬研君に診て貰い、骨喰君はすぅすぅと寝息をたてて眠っていた。
顔色も良くなってきているし、すぐに回復する、と薬研君はそう言った。
「本当、審神者になって皆を手入れする事はあっても、
こういう事態って初めてだったから、本当、どうしようかと……」
「大丈夫だ。大将の判断が早かったのもあって、骨喰兄もすぐに良くなる。
ほら、頭撫でてやるよ」
「あ、ありがとう薬研君……」
白衣姿の薬研君にポンポンと撫でられ、涙腺が壊れてしまいそうだ。
男前過ぎる、これぞ年齢詐欺ってやつだ。
「……さて、ちょっと他の奴らに問題ない事を伝えてくる。
大将はここで骨喰兄を見ててくれ」
「うん。いってらっしゃい」
部屋を出ていった彼を見送り、私は敷かれた布団の方を振り返る。
「……」
こちらを見つめる目があって一瞬飛び上がりそうになった。
「ほ、ほ、ほね、ば、骨喰君……! 起きてたの……!?」
はねた髪を弄りながら、浴衣状態の彼はジト目で首を縦に振った。
「ああ。薬研が……あんたの頭触るところで目を覚ました」
つまり、全部見られてたって事……?
私が薬研君に頭撫でられて、嬉しそうな顔してたのも……?
自分で分かる位、急激に頬が赤くなるのを感じた。
骨喰君はプイッとこちらに背を向けた。
「……あんたは、そういう趣味なのか」
「い、いや違うよ! 別に薬研君にそういう思いは持ってないし、別にショタコンじゃないし!」
「……しょたこん、とは何だ?」
「いやそこに食いつかなくていいから! 安静にしてて!」
布団から出ようとした彼を止める。
あぁ、骨喰君に変な印象持たれちゃったよ……うぅ。
「そ、そうだ。薬研君が桃置いてったんだ。食べる?」
話を変えるべく、私は切れた桃が乗った皿に手を伸ばす。
「あぁ。食べる」
起き上がった彼の口に爪楊枝に差した桃を差し出す。
……若干、手が震えてるけれど。
心配したように、骨喰君が顔を覗かせる。
やめて、余計震える。
「……何故震えているんだ?」
「えっと、いや、落とさないようにそーっとっていうか……」
本当は違う。
間近で見る君の姿が綺麗で、思わず緊張してしまうんだ。
・
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ぬくまゆ(プロフ) - とても暖かくてほのぼのしくて、それでいて少し切なさを感じる素晴らしい作品でした。無表情で口数の少ない彼が徐々に心を開いていく姿は何度見ても尊いです。ありがとうございます。 (2021年5月4日 5時) (
レス) id: 91ace1ad24 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 骨喰、世界一愛してるぜ！(突然の告白) (2019年6月23日 21時) (携帯から) (レス) id: d29be5eacf (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 白器さん» ありがとうございます……! そう言って頂けて本当に嬉しいです……! (2018年11月11日 7時) (レス) id: af2f132298 (このIDを非表示/違反報告)
白器(プロフ) - 骨喰可愛い (2018年10月27日 17時) (レス) id: 606a83cb8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒音_幻月(元:鈴音雪奈) | 作成日時：2017年10月24日 23時
