野菜収穫を手伝いたい……だけじゃなくなった 2 ページ4
「私も手伝っていいかな……?」
ミンミンゼミの鳴き声がうるさい程にこだましている。
……だけど、私の声はちゃんと彼の耳に届いたようだ。
「あぁ。すまないな。助かる」
(よ、良かった……!)
断られてしまうんじゃないかと気が気でなかった。
心の中でホッと安心した。
それと同時に手を洗ってきた鯰尾君も戻ってきて、野菜収穫が再スタートした。
「最近なかなか本丸に来てませんでしたが、やっぱり忙しいんですか?」
「ま、まぁね……。勉強がなかなか安定出来なくて……もうすぐ夏休みだし、もう少しは一緒にいられると思う」
「それなら良かったです! 秋田や乱が寂しがってるんですよ」
「そっか。皆に寂しい思いさせて申し訳ないや……」
最近の本丸事情について鯰尾君と話を咲かせていると、妙に骨喰君が静かである事に気付いた。
元々物静かだけど、こんな作業の音すら聞こえないだなんて……。
ふと疑問に思い、彼の方を見た時だった。
彼がゆらっと私の肩に倒れ込んだのは。
「骨喰君!?」
「骨喰!」
倒れた骨喰君の顔は真っ赤で、ポタリポタリと汗が滴り落ちている。
苦しそうに顔を歪ませている。
「鯰尾君、これって……」
「「熱中症……!?」」
「私助け呼んで来る! 鯰尾君は骨喰君を先に部屋に運んで!」
「はい!」
大変な事態になった。
私は焦る気持ちを胸に他の刀達の方へ走り出した。
まさか熱中症になりかけていただなんて思っても見なかった。
はやく私が気付いていれば……!
どうして気付かなかったんだ、私……!
ごめんなさい、骨喰君……!
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬくまゆ(プロフ) - とても暖かくてほのぼのしくて、それでいて少し切なさを感じる素晴らしい作品でした。無表情で口数の少ない彼が徐々に心を開いていく姿は何度見ても尊いです。ありがとうございます。 (2021年5月4日 5時) (
レス) id: 91ace1ad24 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 骨喰、世界一愛してるぜ！(突然の告白) (2019年6月23日 21時) (携帯から) (レス) id: d29be5eacf (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - 白器さん» ありがとうございます……! そう言って頂けて本当に嬉しいです……! (2018年11月11日 7時) (レス) id: af2f132298 (このIDを非表示/違反報告)
白器(プロフ) - 骨喰可愛い (2018年10月27日 17時) (レス) id: 606a83cb8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒音_幻月(元:鈴音雪奈) | 作成日時：2017年10月24日 23時
