リーダーがすき -5 ページ5
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「どうしたらいいかわかんねえって顔してるけど別に俺今まで通りでいいから」
「あ、そうなんだ」
あからさまに安心すんじゃねえよ、バカ。
明らかに聞こえる声でそう言う玲於の表情はキャップを深くかぶり直したせいでわからない。
でも自分の声色が一気に明るくなってしまったのは認める。
失礼になる、なんだろうけどどうしよう。
玲於の思うようなそれはどうしても叶えられないだろうし、どうやって接していいかわからなくなりそう。
「でも」
「？」
「もうここ一人で来んな。辛いなら俺に言って。ダンスなら練習付き合うし愚痴りたいなら飯いこ」
……なんか思ってたのと、違った。
普段から自己中心的な態度の玲於だから恋愛関係もそんな感じなんだって勝手に思ってたけど、違った。らしい。
なに、いつもなら私のフリ覚え悪いことバカにしてくるじゃん。
ご飯なんて隼と3人でしか行ったことないじゃん。
私、玲於にこんなに優しく接してもらったことないよ。
そんなに優しい言葉かけられたら、私メンタル弱いからすぐ甘えちゃいそうだよ。
「ん」
「ありがとう」
振り向いた玲於は座っている私に手を差し出して来た。
さっさと立ての意味と受け取っていつもの感じで握り返して私も立ち上がる。
そのまま玲於に手を引かれて、どこに向かうのかもわからないまま私もつられて歩き続ける。
いつもならこんなに握り返される手は熱かっただろうか、優しかっただろうか。
あ、ていうかいつもならそんな友達同士がメンバー同士が手とか繋いで歩かない、よね。
……あれ、いつも通りってなんだっけ。
なんで玲於と手を繋いでるんだろう、なんで手が汗ばんで緊張してくるんだろう。
なんで、こんなにドキドキしてるんだろう。
少し早歩きで進むその背中に隠れて玲於の表情は見えない。
ねえ、今玲於はどんな顔して手を引いてくれてるの？
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作者名：も。 | 作成日時：2019年4月7日 22時
