7COLORS. JW

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社長に車で送られた日を境に、
距離が一気に縮まった気がする。

『社長、おはようございます！』

神「ん、おはよ。」


ほらね？！
今まで、"おはよ。"なんて言われなかったのに！


私が少しでも認められた
気がしてすごく嬉しい。


休憩時には他愛ない話もするよう
になったし、


神「虹野、ほい。」

『え、わっ、
ありがとうございます、！』


嫌がらせのように
ブラックコーヒーを渡してきていたのが
私の大好きなイチゴミルクになったし。(ブラック飲めない←)


更には、

仕事も以前より責任のあるものを
任されるようになった。


神「虹野。先週の商談の資料、

ほんま良かったで。
ありがとうな。」


ふんわりと笑顔を向けながら
"ありがとう"って言われると
また頑張ろうって。

それと同時にこんなにも優しく笑えるんだって。始めた当初は思いもしなかっただろう。


以前よりも一緒にいる時間が増えて
社長の色々な一面を知る度に

私は神山社長を1人の男性として意識し
始めていた。




季節が巡るのは早く、もう冬になっていた。

社内では私と社長が一緒にいる度に
ニヤニヤされる。

多分、付き合ってるとか
そんなこと噂されてるんだと思うけど。


いや、仕事に私情は一切持ち込みませんから。ましてや、社長と秘書だもん。


側にいられるだけで私は幸せです。
神山社長の側にいられるだけで。


けど、


神「Aー、
来週のスケジュールなんやけどさぁ。

・・・A？」


『、はぃっ！』


神「なんやその返事、笑」



社長は私の気も知らず、
いつのまにか名前で呼ぶようになって。

その度に心臓が跳ね上がる。



本当に情けない。

仕事場の上司、しかも社長を好きになって
しまうなんて。


社長は容赦なく
私との距離を埋めていき、

何も知らずに私を傷つける。
何気ない行動や言葉で。



早く離れたい。
手遅れになってしまう前に。


・・・けど、離れたくない。


1年という時の短さに抗うこともできないまま
私はこの矛盾を抱えて春を迎えようとしていた。

6→←4▽

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