もしもこの世界が、孤独な私を包んでくれるのならば

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18××年、9月───何もなく平和だったナレット王国に悲劇が訪れた。

｢国王様！兵が次々と敵国の兵に襲われて、死んでいきます！！このままでは貴方様と奥様と未だ幼い姫様の命が……！！｣

｢やはり、そう来たか……敵国は……一体どうすれば……｣

｢貴方、敵国は私達三人の命が狙いよ。この子を置いて死ぬのは悲しいけれど、いっその事私達が先に命を落とせば、国民をこれ以上無駄死にさせることはないわ！！｣

突然、この国を襲ってきた敵国─ハルント国は、この小さなナレット王国を、自分達の国にしようと企んでいた。

勿論、ハルント国側はナレット王国を自分の所有地に出来るのならば、幾らナレット王国から人が死んでも構わない。

それ位、ナレット王国民にとっても傷の深い争いとなってしまったのだ。

｢ロット……私の、この国の国王としての最後の命令だ、この未だ生まれて間もない娘──××××を抱えて、どこか遠い、安全で平和な国にまだ動ける他の兵と逃げて欲しい。そして────｣

｢国王様の願い、お受け致します。必ずしもこの××××様を安全で平和な国へとお連れ致します……｣

｢あぁ、ありがとう。私はこうして最期に妻や娘や君達の顔を見れて幸せな生涯だったよ──｣

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