サルカラのお屋敷�� ページ16
｢ワネット、アルトこのお部屋で色んなお話をしましょう。ワネット、貴女も聞きたいことがあるみたいですし……｣
『はい、ありがとうございます。』
｢どうも。｣
ワネットがナーシャが乗っている車椅子を押し、アルトが部屋の扉を開ける。
今から彼女と話をする部屋は、舞踏会でもできそうな広さの部屋で、床全てが大理石、壁一面に小さい花柄が描かれていて、備え付けの窓は、綺麗なステンドガラスだ。
『とても、綺麗な部屋ですね。』
ワネットがポツリと呟くと、ナーシャは｢ありがとうございます。｣と、嬉しそうに言った。
端にあっとイスを二脚取ってき、ワネットとアルトは座ってナーシャと話すことにした。
｢ワネット、貴女が此処に来たのはあの本を見つけたからでしょう？｣
『はい。タンク街に住んでおられる、クリスさんという方には、既にお会いしました。』
｢クリス……懐かしい名前ね、私がナレット王国で冥土として働いていた頃を思い出しますね……クリスは、元気でしたか？｣
｢タンク街の人らに溶け込んでたな、今は宿泊所を経営しているらしい。｣
｢そうですか、彼も彼で前に進んでいるのね。きっと、他の五人の方々も……｣
ナーシャは18年前に消滅した、“ナレット王国”の専属冥土だったらしい。
｢ワネット、貴女の名前をさっき聞いたとき、私は“あの亡くなられた国王様の愛娘ワネットが、無事に今を生きているなんて……”って思いましたよ、本当に良かった……｣
ナーシャは、涙ぐみながら今の心境を二人に話した。
｢それでね────｣
ナーシャがまた別の話をしようとした瞬間、扉がガチャリと開く音がした。
扉の向こうには、ナーシャの夫と見られるヨークの姿が。
｢お帰りなさい、ヨーク。今日はお客様が──｣
｢客などどうでもいい、浮かれてないでさっさと風呂を沸かせ。｣
ヨークは、冷たい言葉を彼女にかけた後、バタンと扉を閉めて何処かに行ってしまった。
『ナーシャさん、旦那様って……』
｢あぁ、ごめんなさいね。私の夫は元からこういう性格の人なの……｣
『でも、私から見た今のナーシャさんはとてもお辛そうに見えます。私と彼で良ければお話しして貰えませんか……？』
ワネットは、ナーシャの所に行き、彼女の手を取りながら真剣な眼差しで言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もえ(プロフ) - ちくあ☆さん» コメントありがとうございます！theファンタジーです！笑笑 (2019年12月22日 15時) (
レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
ちくあ☆ - theファンタジー！！！！！！！！！！！！！！ (2019年12月22日 11時) (レス) id: 4482a9bec1 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 麗華三日月さん» 初めてオリジナル作品に手を出しました！名前考えるの大変だったです(´・ω・`) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月(プロフ) - わ〜！！なんかファンタジックで素敵ですね！！私の好きなタイプ…楽しみにしてます！！ (2019年10月20日 18時) (レス) id: 1465b1873e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もえ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時：2019年10月20日 18時
