私の心寂しさを、貴方で埋めて。【太宰治】

4:早速…… ページ5

早速、太宰さんからのお誘いで、私は今週末おデートをすることになった。

お出掛けと言っても、遠距離中の彼との埋め合わせデートなんだけども。

『どうしよ……今まで着てた服、康太が好きそう女子の服装に合わせてたから、今の私には似合わない……』

そう、クローゼットの中には全て康太好みの清楚な服。

ワンピースとかも、今の私なら絶対選ばない白色とかで、今着たら全く似合わない。

『私……知らず知らずの内に、康太の似合う女性になりたくて、こんな無理を……』

今考えると迚も恥ずかしいが、若気の至りと言う奴だからしょうが無い。

今週末までに、新しい服を買いに行くか……と、思ったけど……

『仕事が忙しすぎて中々買いに行けなかった……もう、いいや……太宰さんにどう見られても……どうせ、埋め合わせの為のデートだし……』

｢Aちゃーん！｣

バリバリ私服の太宰さんとは、がっちり清楚の私と釣り合わないシックな服装。

｢Aちゃん、可愛らしい服装をしているね。｣

『ありがとう……ございます……この服、彼氏の好みに合わせて着ていた時の服なんです……今の私には全然、似合わないんですけどね……』

｢そうなんだ、私は似合っていると思うんだけどな｣

太宰さんはニコッと笑って私にそう言った。

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